TVer広告の出稿の仕組み│広告規定と審査ポリシーを解説
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TVer広告の出稿の仕組み│広告規定と審査ポリシーを解説

TVer広告出稿

いまやテレビ番組はスマホやPCからも視聴できる時代です。そんな中、民放テレビ局の番組を無料で視聴できる「Tver」の利用者が増えています。Tverの利用者が増えるにつれ、Tver広告の利用価値も年々高まっていると言えるでしょう。

この記事では、TVer広告の出稿方法と広告規定審査ポリシーを解説します。TVer広告の出稿を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

TVerの概要

最初に、TVerの概要について紹介します。TVerにはテレビと同じ部分もあれば、TVer独自の特徴もあります。両者の違いも知っておきましょう。

TVerとは

TVerとは

TVerとは、民放テレビ局が協力して運営するプラットフォームです。「国内最大級の見逃し無料配信動画サービス」として、テレビ放送された一部の番組が配信されています。テレビと違って好きな時間に、好きなデバイス(スマートフォンやPCなど)で視聴できるため、テレビ離れが進んでいると言われる若者にも受け入れられやすい媒体と言えるでしょう。

また、TVerは広告配信されるため、ユーザーは完全無料で利用できることも特徴です。2023年3月には月間動画再生数が3億回を突破し、ユーザー数は2,739万MUB(月間ユニークブラウザ数)で過去最高記録を更新するなど、年々注目が集まっています。

広告の配信時間は「6秒〜60秒」の間で任意設定が可能です。(6秒 / 15秒 / 30秒 / 60秒のいずれかでクリエイティブ制作することが一般的)

TVer広告の配信先

TVer広告の配信先

TVer広告の配信手法には『TVer本体から広告を配信する方法』と『外部データを引用してTVerへ広告を配信する方法(DSP)』の2種が存在します。基本的に、TVer本体から広告を出稿する場合はTVerサイト・アプリのみが広告の配信先となりますが、DSPからの出稿であれば下記のようなサービスにもリーチを広げることが可能です。

  • TVer
  • 民放テレビ局の自社サービス(FOD、TBS FREEなど)
  • シンジケーションサイト(GYAO!、ニコニコチャンネルなど)

なお、DSPでの出稿においても、TVer本体サイト・アプリのみに配信先を絞ることは可能です。

TVerの特徴

TVer広告の特徴としては、次の5つが挙げられます。

  • 完全視聴率が高い
  • ターゲティングが可能
  • テレビを見ないユーザーにもアプローチできる
  • テレビCMとの相乗効果
  • 審査を通過しなければならない

これらの特徴に魅力を感じた方は、ぜひTVerの出稿を検討してみてください。

完全視聴率が高い

TVer広告は完全視聴率が高いことが特徴です。

デバイス完全視聴率
スマートフォン(SP)95.9%
デスクトップ(PC)96.6%
コネクテッドテレビ(CTV)96.1%

参考:2020年11-12月クールTVer広告実績|TVer公式サイト
※クリエイティブの尺により完全視聴率は変動します。

TVer広告はYouTube広告などと異なり、広告スキップ機能がありません。さらに、有音で広告再生される視聴環境のため、「CMメッセージ」が伝わりやすいこともポイントです。

YouTube広告の視聴率

YouTube広告の視聴率(視聴回数 ÷ 表示回数)は、すべての業界平均で10〜15%程度とされています。この数字からも、TVer広告の完全視聴率が優れていることがお分かりいただけるでしょう。

参考:YouTube 広告と視聴に関する指標について

ターゲティングが可能

TVer広告はターゲティングも可能です。TVer広告のターゲティングは、TVerが独自に取得したオーディエンスデータを利用できるため、精度が高いと言われています。

TVerが保有するユーザーデータ例

  • 生年月日・性別・住所などのデモグラフィック情報
  • 興味関心のあるジャンル
  • 好きな芸能人

このようなデータを使って広告配信することで、特定のターゲットにのみアプローチすることが可能です。
また、バラエティー番組やドラマ、アニメ/ヒーロー、ドキュメンタリーなど、番組のカテゴリーによって視聴者層が異なることも多いため、配信するコンテンツによってもターゲットを絞ることができます

さらに、外部のオーディエンスデータを活用するDMPやDSPも利用できるため、痒い所に手が届く緻密なターゲティングが可能となります。

DMP(Data Management Platform|データ マネジメント プラットフォーム)

DMPとは、インターネット上に蓄積されたデータを管理するプラットフォームです。Webサイトの閲覧履歴やお問い合わせ履歴、ユーザーの興味関心などの情報を活用できます。

なお、当記事ではDMPを「TVer本体が提供する外部オーディエンスデータ」と定義しており、TVerの外から外部データを活用してTVerへ広告を配信する「DSP」とは異なるものとして区別します。

TVer広告のターゲティングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
TVer広告で設定できるターゲティングの種類を一覧でご紹介!

テレビを視聴しないユーザー層にもアプローチできる

テレビを視聴しないユーザー層にもアプローチできることは、TVer広告ならではのメリットです。ライフスタイルが多様化し、決まった時間に放送される番組を視聴できないという方も増えています。また、若年層(20代以下)のテレビ離れが進んでいることも事実です。

一方、TVerはスマホやPCなどのデバイスに関係なく、さらには時間も問わず視聴できる媒体であるため、テレビを見ない層からも利用されています。

テレビCMとの相乗効果が期待できる

テレビを見ない世代は若年層を中心に増加傾向にありますが、それでもテレビは今もなおもっとも信頼性が高く、マス(大衆)にアプローチできる効果的なPR手段です。
ただし、テレビCMではリーチできないユーザー層がいることも事実。そこで、TVer広告とテレビCMを組み合わせて出稿することで、リーチを最大化したり、認知効果を強化することが可能です。もちろん、テレビCMのみでも、TVer広告のみでも、一定のブランドリフト効果が期待できるでしょう。

ブランドリフト

ブランディング広告の効果を測る指標の1つです。広告接触グループと非接触グループを比較し、接触グループの「ブランド認知、好感度、購買意欲」が向上しているか調査する手法が用いられます。

テレビCMとTVer広告を両方実施することで、片方のみ実施した時と比べてブランド認知が大きく向上することが明らかになっています。テレビCMとTVer広告は同じクリエイティブも利用できるので、制作の手間やコストも抑えられることもポイントです。

審査を通過しなければならない

TVer広告は民放各局のコンテンツに広告が流れるため、テレビCMと同水準の審査を通過しなければ出稿できません。そのため、広告素材だけではなく業態や商材についても基準を満たさなければならず、審査基準は一般的なWeb広告よりも厳しいと言えます。また、審査期間も他の媒体と比較すると長めです。

クリエイティブ制作後に審査落ちしないよう、あらかじめ広告代理店と相談することをオススメします。

【動画マーケがおすすめ】TverCM広告で実績豊富!!

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TVerの入稿規定

ここからは、TVer広告の入稿規定について紹介します。TVer広告で配信できるタイプは次の2種類です。

  • 動画
  • コンパニオンAD

それぞれの入稿規定を理解しておきましょう。

【TVer広告】動画入稿規定

TVer動画広告の主要な規定は次の表のとおりです。

項目 ハイレート (SD/PC) プレミアムレート (CTV)
CM尺 6秒~60秒の間で任意設定
ビデオサイズ (pixel) (W) 1280 × (H) 720 (W) 1920 × (H) 1080
映像アスペクト比 16:9
音声タイプ ステレオ
(モノラルは疑似ステレオ)
総ファイルサイズ 12MB以内
(15秒素材:6MB推奨)
18MB以内
(15秒素材:9MB推奨)

参考:広告入稿規定|TVer

テレビアプリに配信する場合は、ハイレート・プレミアムレートの両方をセットで搬入しなければなりません。テレビアプリに配信しない場合は、ハイレートのみの搬入も許されています。

【TVer広告 コンパニオンAD】入稿規定

コンパニオンAD(いわゆるディスプレイ広告)の入稿規定は、4つ設けられています。

コンパニオン広告 PCレクタングル

入稿形式PNG
容量150KB以内
サイズ (横×高)300×250ピクセル / 600×500ピクセル (推奨)
アニメーション不可
URL必須 (httpsのみ可)

コンパニオン広告 SDバナー

入稿形式PNG
容量150KB以内
サイズ (横×高)600×120ピクセル
アニメーション不可
URL必須 (httpsのみ可)
表現文字表現はクリエイティブ全体の30%以下 (ロゴは含めず)
クリエイティブの縁を囲う、文字のみ、黒背景+文字のバナーは不可

コンパニオン広告 アイコン+テキスト+ボタン

入稿形式PNG
容量150KB以内
サイズ (横×高)512×512ピクセル
アニメーション不可
URL必須 (httpsのみ可)
文字数25文字まで
ボタン文字「詳しくみる」「詳細こちら」
「ダウンロード」など10種類から選択

コンパニオン広告 テキスト+ボタン

クリックURL必須 (httpsのみ可)
文字数25文字まで
ボタン文字「詳しくみる」「詳細こちら」「ダウンロード」など10種類から選択

参考:広告入稿規定|TVer

それぞれ、ユーザーの誤動作を誘発するようなデザインは禁止されています。

TVerの審査基準とポリシー

TVerには、テレビCMと同水準の審査基準とポリシーが設けられています。特に次の3点には注意しましょう。

  • 事業内容に問題がないか
  • 過激・悪質な広告ではないか
  • ユーザーの誤動作を誘発しないか

事業内容に問題がないか

TVerに出稿するためには、「業態考査(業態審査)」をクリアしなければなりません。「業態考査」とは、広告主の事業内容に対する審査です。公序良俗に反すると判断されうる事業の場合、審査には通りません。

テレビCMと同じく、TVer広告も多くの方の目に触れるため、厳しい基準が設けられていることは覚えておきましょう。

過激・悪質な広告ではないか

広告クリエイティブの表現に対して「素材考査」も入ります。素材考査の審査内容は、過激な表現やユーザーの誤解を招くような表現、法令に抵触する以下の表現などです。特に、次の法律に則っているかは注意しましょう。

  • 景品表示法(消費者を守るための法律。広告全般に関係)
  • 薬機法(医薬品などの広告に関係)
  • 健康増進法(健康食品などの広告に関係)

ユーザーの誤動作を誘発しないか

広告クリエイティブがユーザーの誤動作を誘発しないかも重要なポイントです。たとえば、クリックできないのにクリックできるように見せかけるクリエイティブは避けなければなりません。

審査の流れと期間

審査の流れと期間

TVer広告の審査は、次のフローで進みます。

  1. お問い合わせ・打ち合わせ
  2. 業態考査
  3. 発注
  4. 素材考査
  5. 配信開始

上記のフローをすべて完遂するには、2週間程度の期間が必要となります。一般的なWEB広告と比べて審査期間が長いため、余裕を持ったスケジュールで臨みましょう。

1.お問い合わせ・打ち合わせ

まずはTVerもしくはTVerを扱う広告代理店に問い合わせ、広告についての打ち合わせを実施します。疑問点がある場合は、この段階で解消しておきましょう。

2.業態考査

打ち合わせ後、業態考査が行われます。多くのユーザーの目に触れるTVer広告で配信しても問題ない業態・商材か、という審査です。
たとえば、科学的根拠を示せない占いのような業態は、審査に通らないことが多いです。また、マルチ商法などが懸念される場合も審査には通りません。特に消費者庁に問題過去歴がある場合は、審査に通らないと考えても良いでしょう。

業態考査の際は、会社パンフレットや履歴事項全部証明書などが必要になる場合もあります。

3.発注

広告を発注します。同時に、クリエイティブ制作も進めておきましょう。

4.素材考査

クリエイティブについて審査されます。入稿規定や各種法令を遵守しているかが審査対象です。

5.配信開始

クリエイティブに問題がなければ、配信が開始されます。

よくある不承認理由

TVer広告におけるよくある不承認理由としては、次の4つが挙げられます。

  • 虚偽、誇大表現
  • 根拠のない最大級表現
  • 各種法令に抵触
  • 時代にそぐわない表現

クリエイティブ制作段階から、これらのポイントには注意しておきましょう。

虚偽、誇大表現

業態・商材の実態と異なる広告は審査に通りません。明確な嘘だけではなく、誤解を招く表現も避けましょう。たとえば条件付きの便益の場合は、条件についても分かりやすく表示する必要があります。

根拠のない最大級表現

根拠のない最大級表現も禁止されています。たとえば「業界初」「日本一」「売上ナンバーワン」などは、根拠がなければ広告内で表現してはいけません。
仮に根拠がある場合は考査で必要となるので、資料を用意しておきましょう。

各種法令に抵触

景品表示法や薬機法など、各種法令に抵触している場合も不承認となります。
無意識に法令で禁止されている表現を使ってしまう場合があるので、クリエイティブ制作前に代理店と相談しながら確認することがオススメです。

時代にそぐわない表現

時代にそぐわない表現も、不承認となる原因です。たとえばジェンダーに対する表現マイノリティに対する表現性的な表現など、法令以外にも守らなければならないモラルが存在します。
これらの表現は企業ブランドにも影響するため、自社の広報担当者と相談しても良いでしょう。

まとめ

TVer広告は幅広い層にリーチでき、ターゲティング機能も使える優れた広告です。
しかし、広告審査基準はテレビCM並みに厳しいので、しっかりと準備する必要があります。そのため、TVer広告の出稿を検討されている場合は、実績のある広告代理店に依頼することが重要です。

動画マーケでは、TVer本体からの広告配信(運用型広告)、外部オーディエンスデータを活用する広告配信(DSP連携)の2種のアプローチ手法に精通している下記の広告代理店をオススメしています。もちろん、TVer対応のCM映像制作も実績豊富なため、安心して依頼できるでしょう。

【動画マーケがおすすめ】TverCM広告で実績豊富!!

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千葉 翔真
企業のデジタル広告キャンペーンを担当。
TVerのユーザー層や視聴習慣に関する深い洞察力を持ち、クライアントの要望やブランドの目標に合わせたカスタム戦略を策定。
クリエイティブなアイデアと戦略的なアプローチを組み合わせ、クライアントのブランドの認知度を向上させると同時に、ターゲットオーディエンスとのエンゲージメントを高め、売上を伸ばすキャンペーンの計画から実施までを一貫してサポートする。