ロケ映像配信の費用相場とは?必要な機材やスタッフの役割もご紹介!
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ロケ映像配信の費用相場とは?必要な機材やスタッフの役割もご紹介!

ロケ中継/ハイブリッドイベント

新型コロナウイルス感染症の流行が収束しつつある今、セミナーや展示会などのイベントが再開されるようになり、リアル開催とストリーミング配信を並行して行うハイブリッド化が進行しています。リアルに参加体験をしたい参加者がいる一方で、移動時間を含めた拘束時間や交通費、宿泊費などのコストを考えると、ストリーミング配信での視聴や、自分に合った時間で視聴できるアーカイブ配信での視聴を希望する参加者が増えているのです。

こういった参加者の要望に応えるためには、企業の広告・宣伝担当者が参加者の利便性を考え、セミナーや展示会などのリアル開催だけでなく、アーカイブ化を含むロケ映像配信を提供していかなくてはなりません
しかし、会場から映像配信をするのにどれくらいの費用や準備が必要になるのか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。中には、見積書に記載されている機材が何に使われるのか、相場がどれくらいなのかさえわからない…という方もいるかと思います。

本記事では、イベントやセミナー、展示会などのハイブリッド開催がデフォルト化する今ロケ映像配信で必要な機材やスタッフの役割、それぞれの項目の費用相場ついて詳しく解説していきます。相場を知っておくと適正な運営費を換算することが可能となり、イベントの規模や予算をコントロールできるようになります。ロケ映像配信を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ロケ映像配信に必要な機材一覧

まずは、ロケ映像配信に必要な機材とその役割についてご紹介します。配信する場所やコンテンツ、演出の内容によっては不要になる機材もあるため、各機材の役割をしっかりと把握し、本当に必要なのかを見極めるようにしましょう。

撮影機材

撮影機材

映像配信は当然、配信する映像がなければ始まらないため、撮影を行うカメラは必ず必要になります。映像配信には一般的な収録用カメラではなく、撮影した映像を記録する機能のない、映像を出力するための映像用カメラが適しています。

ただし、映像用カメラなら何でもいいというわけではありません。必ずしもハイスペックなカメラがいいとも限らないため、配信を行うコンテンツや会場の広さ、出演者の人数などによって、最適な映像用カメラを選ぶことが重要です。

音声機材

音声機材

映像配信を行う場合、出演者の数だけピンマイクが必要になりますが、現在はケーブルがついていないワイヤレスピンマイクが使用されることが多いです。ワイヤレスピンマイクにはA帯とB帯の2種類があり、それぞれ周波数の帯域が異なります。

B帯のワイヤレスマイクの場合、最大で7-8名程度までしか同時に使用することができません。また、同一会場内で同じ周波数帯を使用すると、電波が混ざってしまう混信と呼ばれる現象が起こり、音が聞き取れなくなることも。近隣で使用されている周波数帯を把握することはできないため、大きなイベントホールなどで映像配信を行う場合は、B帯のワイヤレスマイクを使用すると混信するリスクが高いといえます。

しかし、A帯のワイヤレスマイクであれば、7名以上で同時に使用することができ、混信するリスクもありません。これは、A帯のワイヤレスマイクを使用する際、その周波数帯を使用する申請を特定ラジオマイク運用調整機構(特ラ機構)に必ず行う必要があるため。混信のリスクがないことから、重要な映像配信ではA帯のワイヤレスマイクが使用されることがほとんどです。

スタジオにロケ映像配信を依頼した場合は、スタジオの担当者がA帯のワイヤレスマイクの手配から申請までを一括で管理してくれるため、自身で申請を行う必要はありません。ただし、特ラ機構への申請を行わずにA帯のマイクを使用した場合は電波法違反となるため注意しておきましょう。

また、映像配信を行う際は、マイクから受信した音声を聞き取りやすい音量や波形に調整するデジタルミキサーも必要になります。

照明機材

照明機材

ロケ映像配信を行う場合は、会場となるホテルの照明を借りたり、イベント会場の蛍光灯やLED照明、スポット照明などをそのまま使用することが多いため、大がかりな照明を持ち込むことはほとんどありません。また、ロケでの撮影の場合は特に、太陽の光に合わせて明るさを調整することが難しいことから、照明を使用しないケースも多いです。

ただし、ホテルやイベント会場などでプロジェクターを使用する場合は、暗くした会場の中で人物にのみ照明を当てなければならないため、照明機材が必ず必要となります。

スイッチャー

スイッチャー

スイッチャーとは、映像制作や配信現場において、映像の切り替えを行うための機械のこと。スイッチャーがなくても映像配信を行うことは可能ですが、以下のようなケースではスイッチャーが必要になります。

  • カメラが複数台ある
  • スライドがある
  • 演出が複雑
  • 出演者が多い

これらのような映像の入力が多くなるケースでは、スイッチャーによる映像の切り替えが必要になるのです。

エンコーダー

エンコーダーとは、映像信号をネットワーク上に伝送するために変換する機材のこと。カメラとミキサーによって生成された映像・音声データをオンラインで配信するためには、エンコーダーで配信用の規格に変換し、LANケーブルを介してライブ配信用の回線に送る必要があります。

ロケ映像配信に必要なスタッフ

映像配信に必要な機材をご紹介しましたが、機材を扱うためには専門的な知識を持つスタッフが必要になります。ロケ映像配信を行う場合はどのようなスタッフが必要になるのか、詳しく見ていきましょう。

撮影スタッフ

撮影スタッフ

カメラを選ぶ際は、配信を行うコンテンツや会場の広さ、出演者の人数などに適した映像用カメラを選ぶことが重要だとお話ししましたが、これは撮影スタッフの場合も同様です。一口に撮影スタッフといっても、得意分野はスポーツやイベント、テレビ番組などさまざま。
そのため、ロケ映像配信を行う際は、話者に対して適切な画角を作れる、ロケが得意な撮影スタッフを選ぶことが望ましいです。

また、撮影スタッフの人数は、必ずしもカメラの台数分だけ必要になるわけではありません。引きで全体を撮影する固定カメラには撮影スタッフをつける必要がないため、被写体が動くカメラの台数分だけ撮影スタッフを手配するようにしましょう。

音声スタッフ

音声スタッフ

マイクによって入力された音声を適正な音量・音質に調整し、スイッチャーまで届けるのが音声スタッフの役割。そのためには、デジタルミキサーを操作できるスタッフが必要になります。また、ロケ映像配信では出演者にピンマイクを取り付けたりハンドマイクを渡す作業も必要になりますが、出演者の人数が余程多くない場合、ワンオペでやることがほとんどです。

照明スタッフ

照明スタッフ

ロケ映像配信では、大がかりな照明を使用することはほとんどなく、照明を使用しないケースも少なくありません。そのため、照明スタッフは専任にせず、照明のことを理解している撮影スタッフが兼務することもあります。
ロケ映像配信を行う際は、事前に照明の有無や規模などを確認し、照明スタッフが本当に必要なのかを確認するといいでしょう。

スイッチャーオペレーター

スイッチャーオペレーター

映像を切り替えるスイッチャーを操作するスイッチャーオペレーターは、企画や台本を制作する配信ディレクターが兼務することもあります。これは、全体の演出を担当している配信ディレクターであれば、どのシーンでどういった映像が必要になるのかを把握できるため。

ただし、スイッチャーは基本的には一人で操作するものであるため、スイッチャーオペレーターとして一名、専任のスタッフがいることが望ましいです。

VTR出し・テロップ出しオペレーター

スイッチャーオペレーターが映像の切り替えを行うのに対し、そのほかのテロップやインサートの編集を行うのがVTR出し・テロップ出しオペレーターの役割。

テロップ・インサートとは?

テロップ:映像にのせる文字情報をのせる手法のこと。
インサート:一連の映像の合間に別の映像を挿入する手法のこと。

テロップやインサートによる文字情報や補足説明は、番組で情報を提供するうえで重要な要素となります。ただし、分量などによっては、スイッチャーオペレーターが兼務するケースもあります。

配信管理スタッフ

YouTube LiveやZoom、Vimeoなどの配信プラットフォームで映像配信を行う場合は、エンコーダーを使用して映像を伝送します。このとき、映像と音声のズレなどがなく、問題なく配信が行えているかどうかを視聴者と同じ環境で確認し、トラブル発生時には配信現場に伝える配信管理スタッフが必要になります。

配信現場で機材を取り扱っているスタッフは配信に集中する必要があり、配信管理を兼務することはできません。とはいえ、配信管理に専門的な技術はそれほど必要ないため、外部の人間ではなく企業の担当者が行うケースが多いです。
ただし、ニコニコ生放送(ドワンゴ)やABEMA PPV ONLINE LIVE(AbemaTV)などで映像配信を行う場合は、その運営会社から配信管理スタッフが手配されます。

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【ロケ映像配信の費用相場】項目別の見積もりとは?

ロケ映像配信に必要な機材やスタッフについてお話してきましたが、実際どれくらいの費用がかかるのか気になりますよね。こちらでは、ロケ映像配信にかかる費用の相場を、項目別にご紹介していきます。

撮影関係一式の相場

カメラ1台:15,000円~
撮影スタッフ1名:40,000円~

ロケ映像配信で使用されるカメラの費用相場は、1台15,000円~。撮影スタッフの見積もりは1人あたり1日40,000円~となります。撮影スタッフは動く被写体を撮影するカメラの台数分だけ必要となり、全体を引きで撮影する固定カメラの場合は、スタッフをつける必要はありません。

つまり、固定カメラが2台、動く被写体を撮影するカメラが2台の場合、カメラの台数は合計で4台になりますが、撮影スタッフは2名で問題ありません。合計金額はカメラ15,000円×4台+撮影スタッフ40,000円×2名=140,000円~が相場となります。
ただし、クレーンやドローンなどが必要になる場合は、費用が高くなるため注意しましょう。

音声関係一式の相場

マイク2波(本)分+ミキサー1台:50,000円~
音声スタッフ1名:40,000円~

音声関係一式の費用相場は、出演者を2名だと想定した場合、2波(本)分のマイクとミキサー1台で50,000円~。スタッフの見積もりは1名あたり40,000円~となるため、機材とスタッフを合わせて90,000円~となります。
ただし、出演者の人数が増えれば増えるほどピンマイクの数が増えるため、その分費用も高くなっていきます。

照明関係一式の相場

照明機材:80,000円~(会場の規模による)
照明スタッフ1名:40,000円~(必要な場合)

照明にかかる費用は、映像配信を行う会場の規模によって異なります。中規模なイベントであればスタンド型のLEDライトが使用されることが多く、照明機材一式で80,000円~が相場。会議室全体をもう少し明るくしたい場合などはパネル型のLEDライトが必要となり、この場合は100,000円~が相場となります。

ただし、近年は会場となるホテルやイベント会場の照明をそのまま使用することが多く、太陽によって光の調整が困難なロケ映像配信ではかえって照明を使用しないケースもあります。
また、照明を使用する場合も照明専門のスタッフは置かず、撮影スタッフが兼任することが多いため、照明関係はロケ映像配信にかかる費用の中で最も削りやすい項目であるともいえます。

配信関係一式の相場

スイッチャー1台:25,000円~
エンコーダー1台:5,000円~
スタッフ各1名:40,000円~

配信関係一式の費用相場は、映像の切り替えを行うスイッチャーが1台25,000円~、映像信号をネットワーク上に伝送するために変換を行う機材であるエンコーダーが1台5,000円~。それぞれの機材を扱うスタッフの見積もりが、1人あたり1日40,000円~となります。
演出の内容や会場の規模によっては、モニターやレコーダーなどが必要となる場合もあり、必要最低限の機材を揃えるだけでも80,000円~が相場となるケースもあります。

また、問題なく配信が行えているかどうかを視聴者と同じ環境で確認する配信管理スタッフは、内製化してコストを抑えるのがおすすめ。ただし、ニコニコ生放送(ドワンゴ)やABEMA PPV ONLINE LIVE(AbemaTV)などの独自のプラットフォームを持っている会社に映像配信を依頼する場合は、その会社から配信管理者が手配されるため費用がかかります。

実際にかかる費用の考え方

これらのすべての項目を含めると、機材とスタッフを合わせた見積もりの相場が355,000円となり、機材だけでも200,000円程度が必要に。リハーサルが必要な場合は、かかる費用が2倍になります。

見積もりがこの相場よりも高い場合は、特別な演出を行う予定があるか、バックアップ機材の費用が含まれていると考えましょう。そういった要因がないにもかかわらず見積もりが高い場合は、必ずしも必要でない機材やスタッフの費用が含まれているかもしれません。
また、見積もりがこの相場よりもあまりにも安い場合は、必要な機材やスタッフが足りていない可能性もあります。

ロケ映像配信にかかる費用は会場の規模や出演者の人数、演出によって異なるため、あくまでもこの相場は参考値ではあるものの、見積もりの時点で高い、安いと感じたら、一度見積もりの内容を聞いてみてもいいでしょう。

ロケ映像配信でほかに必要になる費用

これまでお話しした機材やスタッフのほかにも、配信するイベントやコンテンツの内容によって費用が発生するものもあります。どのようなものに費用が発生しやすいのか、詳しく見ていきましょう。

司会者・MC

司会者やMC

ロケ映像配信を行うコンテンツによっては、司会者やMCが必要となる場合もあるでしょう。費用を安く抑えるために、イベントの司会やMCを自社の広報担当者などが行う場合もあるかと思いますが、どんなに話慣れている人であっても、プロの進行や間の繋ぎ方、アドリブなどにはかないません。

また、プロの司会者やMCなどを手配すると費用がかかりますが、自社で内製化するために割く時間や労力を考えるとプロに依頼したほうが効率的、かつコンテンツの大幅なクオリティアップが望めます。
プロの司会者やMCを手配する際は、以下のようなサービスを利用するのがおすすめです。

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ネットワーク回線

ネットワーク回線

映像配信を行う際は、ネットワーク環境が整備されているかを確認する必要があります。スムーズな映像配信を行うためには、安定した通信が可能な有線LANの取り口が必須。また、アップロードの回線速度は300Mbps~1Gbpsが目安になります。
回線速度がどれくらいなのかは以下の方法で確認できるため、必ず配信前に確認しておきましょう。

  • Fast.com」にアクセスする
  • Googleで「スピードテスト」と検索する

回線が不足している場合は、モバイル回線をボンディングして回線の流量を増やすLiveU社「LiveU Solo」などを用意するか、臨時回線を敷設しましょう。臨時回線の敷設には回線工事費用がかかりますが、事前調査で問題がなければ、最短1日から日払いで回線が使用できます。(※契約プランによる)

計時回線・クリッカー類

計時回線・クリッカー類

計時回線やクリッカーは、主にプレゼンの配信を行う場合に必要になります。計時回線とは、タイマーのような役割を果たすもの。3色のランプとデジタル時計の表示でカウントアップやカウントダウンを行うため、プレゼンのペースが掴みやすくなります。クリッカーはスライドのページを送るための機器のことで、パソコンから離れた場所でもスライドの操作ができるようになります。

ただし、クリッカーの種類によってはスライドを操作できる距離に制限があり、障害物に弱いなどの弱点が。広い会場でプレゼンを行う場合などは、長距離での操作が可能で、同時に複数台のパソコンを制御できるクリッカーがおすすめです。

クリッカーを2台のパソコンに接続できれば、原稿のパワーポイント、グラフのパワーポイントなどを2つに分けて同期させることで、グラフを見ながら話したり原稿だけに集中して話すことが可能に。また、この原稿のときにはどういったグラフが表示されているのかを把握することもできます。

プレゼンの配信を行う場合は、プレゼン向けのプロツールが見積もりに含まれやすいため、把握しておくようにしましょう。

まとめ

ロケ映像配信で必要な機材やスタッフの役割、それぞれの項目の費用相場などついてお話してきましたがいかがでしたか。

会場やイベントの規模、出演者の人数、演出の内容などによって必要なものと必ずしも必要でないものが差別化できたかと思います。中には内製化することでコストを削減できるものもあるため、予算が決まっているのであれば、見積もりからどの項目を削っていくのかを考え、配信を行うコンテンツの内容に応じた適正価格を算出してもらいましょう。

会場やイベントの規模、出演者数、演出の内容などに応じた適切な費用でのロケ映像配信にお悩みの場合は、映像配信の実績が豊富な配信専門業者に依頼するのがおすすめ。

東京都内はもちろん、関西にも拠点があるワンストップスタジオの「Event Streaming」のサービスは、イベント・セミナー・展示会などのハイブリッド開催を支援するストリーミング配信実績が豊富な、動画マーケ一押しのサービスです。
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石野 登
ドローンの操作免許を所有。幅広いロケ地や現場での撮影経験を保有。
リアルタイムの状況に対応する能力が高く、瞬時に撮影の構図やアングルを判断し、最適な映像を捉えることができる。