映像制作の納品データ/ファイル形式を徹底解説│使用媒体に合わせた納品データ指定
動画制作

映像制作はどの納品データ・ファイル形式にすべき?使用媒体に合わせたデータ指定

映像制作

映像制作において、納品データの選び方はとても大切なポイントです。映像の形式やファイル形式は、品質や再生環境、配信の要件など、さまざまなことを考慮して選ばれています。

この記事では、映像のデータの種類や、使用する媒体ごとにオススメのデータ形式についてご紹介します!発注する前によく確認して、参考にしてください!

【映像の納品データ】映像のファイル形式の種類とそれぞれの特徴

【映像の納品データ】映像のファイル形式の種類とそれぞれの特徴

映像制作において、適切な納品データやファイル形式の選択は非常に重要です。とはいえ、普段映像の制作に直接携わっていない場合、ファイル形式のことはとても専門的で難しいですよね。

こちらでは、映像の納品データや音声データのファイル形式について、それぞれの特徴を解説していきます。

動画の納品データとは

動画の納品データとは、制作した映像を最終的に納品するときのデータ形式のことです。チラシやカタログなど、グラフィックのデザイン制作でも、制作している段階では、デザインソフト(「.ai」など)のファイル形式ですが、確認用や印刷に出す際には、PDF(.pdf)として書き出すことが一般的ですよね。

動画も同様で、編集データをそのまま納品するのではなく、納品の際には別のファイル形式に書き出しています。納品データは、映像の使用媒体や再生環境に合わせて適切な形式で提供する必要があります

動画ファイルの種類を解説!違いを理解して使い分けよう

ファイル形式(拡張子)

特長

MP4(.mp4)

  • 利用頻度が最も高く、一般的なフォーマット
  • 容量の大きい動画を圧縮することに向いている
  • 多くの動画プラットフォームで再生できる

MOV(.mov)

  • SNSや動画サイトによっては対応していない
  • Macで、動画の編集をすることができる

AVI(.avi)

  • SNSや動画配信サイトによっては対応していない
  • Windowsで、動画の編集をすることができる

動画ファイルには様々な形式がありますが、MP4・AVI・MOVの3種類が広く一般的です。それぞれの形式には特徴があり、使用する媒体や再生環境によって、最適な形式を選ぶ必要があります。

MP4(MPEG-4)

MP4は圧縮効率が高く、品質も良好です。主要なメディアプレーヤーやデバイスでサポートされています。

もっともメインとなるフォーマットで、特に指示がない場合は、こちらの形式で納品されることが一般的です。

MOV

MOVはAppleのQuickTimeで使用される形式で、高品質な映像と音声を扱うことができます。

Macで編集することもできるので、納品データを使ってさらに利用したいことがある場合は、こちらが便利です。

AVI

AVIはWindows環境で広く利用されており、高い再生互換性を持っています。

Winで編集することもできるため、納品データを使ってさらに利用したいことがある場合は、こちらが便利です。

WebM(.webm)

近年シェアを伸ばしているのがWebM(.webm)です。こちらは、Googleが開発したWeb専用のファイル形式で、Webで利用しやすいよう軽量かつ高品質という特徴があります。

これらのファイルは、多くの映像素材や音声素材からなる映像の制作データを圧縮することで、1つの映像ファイルとして成り立っています。特長を整理すると下記のようになります。

ファイル形式ファイルサイズ再生対応使用目的
MP4(.mp4)高い圧縮率により、
ファイルサイズが小さい
主流のデジタルメディアプレーヤー、
Webブラウザ
インターネット上での動画配信
ストリーミング
ポータブルデバイス
AVI.avi圧縮率は劣るが、低い圧縮率のため
ファイルサイズは大きい
主流のデジタルメディアプレーヤー、
一部Webブラウザ
インターネット上での動画配信
編集
ポータブルデバイス
MOV.mov圧縮率は劣るが、低い圧縮率のため
ファイルサイズは大きい
主流のデジタルメディアプレーヤー、
一部Webブラウザ
Appleデバイス向けのフォーマット
プロフェッショナル編集
WebM(.webm)圧縮率は高く、
ファイルサイズが小さい
主流のWebブラウザインターネット上での動画配信
HTML5規格

動画のファイルを圧縮する際には、映像と音声それぞれにコーデックという圧縮方法を選択します。そこで選択するコーデックによって、動画の品質はまたそれぞれに異なります

音声ファイルの種類を解説!それぞれの特徴をご紹介

音声ファイルの種類を解説!それぞれの特徴をご紹介

映像制作では、映像の素材だけでなく、音の素材「音声ファイル」も頻繁に扱います。音声ファイルのデータ形式についても理解しておきましょう。

ここでは、主な音声ファイルを3つご紹介します。それぞれのファイルの特徴は、下記の通りです。

ファイル形式ファイルサイズ品質/音質対応機器使用目的
MP3
(.mp3)
小さく圧縮されるため、
ファイルサイズが小さい
様々なビットレートでの圧縮が可能。
高い圧縮率により、音質の一部が失われる。
主流のデジタルオーディオプレーヤーや
スマートフォン
インターネット上での
音楽配信やストリーミング
AAC
(.m4a、.aac)
圧縮されるが、MP3よりも少し
高品質であるため、
ファイルサイズはやや大きい
様々なビットレートでの圧縮が可能。
MP3に比べて高音質であるとされる。
主流のデジタルオーディオプレーヤーや
スマートフォン
インターネット上での音楽配信やストリーミング、
Appleデバイス向けのフォーマット
WAV
(.wav)
非圧縮のものもあり、
ファイルサイズが大きい
高品質のオーディオデータを保持。
非圧縮のものは、高音質である。
一般的なオーディオ機器で
広くサポートされている
音声編集や制作、
高品質なオーディオの保存など

音声だけを別で録音して映像制作会社に支給する場合や、BGMなどの音声素材を購入する場合に、音声ファイルの形式を選ぶタイミングがあるかと思います。その際には、一般的には非圧縮で高音質のWAVが活用されています。

どのような形式で準備したらよいのかを事前にしっかり確認して、手配するようにしましょう。

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使用媒体に合わせた納品データ/ファイル形式の指定

映像制作においては、使用する媒体や再生環境に合わせて納品データの形式を指定する必要があります。適切な形式を選ぶことで、映像の品質や再生性能を最適化することができます。

テレビCMに使用する場合の映像納品データ形式

テレビCMに使用する場合の映像納品データ形式

テレビCMでは、放送局の仕様に合わせた映像納品データ形式を指定する必要があります。一般的には、MXFやXD-CAM HDなどのフォーマットが使用されます。

放送局の仕様を確認し、適切な形式で映像を納品しましょう。

テレビCM用 オンライン送稿サービス

多くの人が同時に視聴するテレビ放送のオンエアに乗せるCM。データに不備があったら大変ですし、いつでも差替え・修正できるWebとは違う緊張感がありますよね。

上記で紹介したXD-CAMとは、テレビ放送専用のディスクのようなもの。これまで、放送用のCMデータをテレビ局に出稿する際には、映像制作後に、ファイル形式の書き換え、専用ディスクに現像して、そのディスクを発送するという流れで、最長8日ほどの時間がかかっていました。もちろん、コストも大幅に高くなってしまいます。

そこで登場したのが「オンライン送稿」のサービスです。オンライン送稿とは、その名の通りインターネットを介して、映像・メタ情報などのデータをテレビ局にオンラインで納品するサービスです。セキュリティ対策が十分にされており、送信時に映像のデータが壊れるということもありません。ぜひサービスを取り扱っている会社へ、ご相談下さい。

【オンライン送稿のメリット

  • 納品コスト圧縮:プリント代、郵送費などが不要となりコスト削減
  • 納期短縮:郵送期間がないため納期を短縮。24時間アップロード可能

インターネット配信に使用するための映像納品データ形式

インターネット配信に使用するための映像納品データ形式

インターネット配信では、動画プラットフォームやWebサイトの仕様に合わせた映像納品データ形式を指定する必要があります。

一般的には、MP4形式やWebM形式などが使用されます。各プラットフォームやウェブサイトの推奨仕様を確認し、適切な形式で映像を納品しましょう。

掲載先推奨フォーマット解像度ファイルサイズ長さ制限
WebサイトMP4、WebM、Ogg最適な解像度を指定
(例: 1080P)
一般的な制限あり
 (例: 100 MB)
一般的に制限あり
(例: 10 分)
YouTubeMP4、MOV、AVI、WMV最大解像度: 4K
(2160p)
一般的な制限あり
 (例: 128 GB)
制限なし
InstagramMP4、MOV最大解像度: 1080p最大サイズ: 100 MB一般的に制限あり
(例: 60 秒)
TikTokMP4、MOV最大解像度: 1080p最大サイズ: 287.6 MB一般的に制限あり
(例: 60 秒)

サイネージで上映するための映像納品データ形式

サイネージで上映するための映像納品データ形式

サイネージ(デジタルサイネージ)では、使用するサイネージのプレーヤーソフトやディスプレイの仕様に合わせたデータ形式を指定する必要があります。一般的には、MP4形式やMPEG-2形式などが使用されます。

再生できるファイルの容量は、サイネージによって異なりますので、事前にサイネージのプラットフォームや機器の仕様を確認し、適切な形式で映像を納品しましょう。制作前に、縦横比と解像度のチェックは忘れずに!

DVD/Blu-rayを制作するための映像納品データ形式

DVD-Blu-rayを制作するための映像納品データ形式

DVDやBlu-rayを作成するためには、専用のソフトで「オーサリング」をする必要があります。

オーサリングとは、動画をチャプターに分けたり、メニュー画面を構成したりするなど、DVDならではの機能を追加していく工程です。動画の編集が終わった後で行います。オーサリングに使う映像データは、MPEG-2形式が一般的に使用されます。

映像データを書き換え、チャプターリンクなどを設定しメニュー画面を作成、オーサリングのすべての工程が終わったDVDを1つ作成し、動作を確認した後、必要に応じて量産していきます。

DVDやBlue-rayなどのディスクに焼く場合には、このように追加の工程も多数発生し、映像制作とは別に費用が発生しますので、見積りの際にはしっかり確認しましょう。

まとめ

映像制作においては、適切な納品データやファイル形式の選択が重要です。この記事では、映像のデータの種類や使用する媒体ごとにオススメのデータ形式について紹介しました。

納品データは品質や再生環境、配信の要件などを考慮して選ぶ必要があります。事前にデータファイル形式をチェックし、ミスのないように手配しましょう。

また、テレビ放送への納品は、専門知識のある制作会社に相談するのがポイント。実績のある会社で、大事なテレビCMを安全に納品しましょう。

動画マーケでは、テレビCMの制作実績が豊富な下記の制作会社をおすすめしています。

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中島 英太
企業の会社紹介動画や販売PR映像などの制作実績を持つ。
クライアントや監督・ディレクターとの密接なコミュニケーションを大切にし、ビジョンを正確に捉えることが可能。また、チームとの協力も得意とし、撮影現場での円滑な作業とプロフェッショナリズムを重視している。