スキップ不可のYouTube30秒広告とは?特徴やメリット、活用のポイントを徹底解説
動画マーケティング

スキップ不可のYouTube30秒広告とは?特徴やメリット、活用のポイントを徹底解説

YouTube広告運用

さまざまなフォーマットがあるYouTube広告に、新しいフォーマットが追加されることをご存知でしょうか。今回新しく追加されるのは、「スキップできないテレビ対応の30秒広告」です。

新しいYouTube広告のフォーマットは、「スキップ不可」「30秒」「コネクテッドTVでのみ配信」などテレビCMに近い仕様の広告です。そのため、既にテレビCMやTVer広告を出稿している企業にとって、新たな選択肢となることが期待されます。これまでリーチできなかった層にも、YouTubeを通じてであればアプローチできるかもしれません。

本記事では、YouTube30秒広告の特徴からメリットデメリット活用のポイントまで詳しく解説していきます。テレビCMやTVer広告など、デバイスとしての「テレビ」を通じたプロモーションに興味のある方は最後までご覧ください。

YouTube30秒広告の特徴

YouTube30秒広告の特徴としては、次の4点が挙げられます。

  • 30秒間スキップ不可
  • ネット対応テレビでの広告が対象
  • 限定されたチャンネルでのみ導入
  • 日本での展開は2023年後半の予定

まずはYouTube30秒広告の概要について知っておきましょう。

30秒間スキップ不可

30秒間スキップ不可

「Upfronts 2023(米国で開催される広告主やメディア向けのイベント)」において、YouTubeが「スキップできない30秒広告(YouTube30秒広告)」を導入すると発表されました。

なお、現状のYouTube広告には、次の6つのフォーマットが用意されています。

フォーマット広告の長さ特徴
スキップ可能な
インストリーム広告
長さの上限なし視聴回数にのみ課金される
5秒経過でスキップ可能
スキップ不可の
インストリーム広告
15~20秒必ず視聴してもらえる
バンパー広告6秒必ず視聴してもらえる認知度を
高めたい時に効果的
インフィード動画広告長さの上限なしホームフィードや検索結果画面に表示
アウトストリーム広告長さの上限なしGoogle動画パートナーに表示
マストヘッド広告長さの上限なし予約ベースでのみ利用可能
(Googleの営業担当者を通じてのみ)

参考:動画広告フォーマットの概要|YouTubeヘルプ

これまでYouTubeでスキップ不可の広告を流したい場合、「バンパー広告」もしくは「スキップ不可のインストリーム広告」のいずれかを選ぶ必要がありましたが、「YouTube30秒広告」の登場によって新たな選択肢が追加されることになります。

YouTube広告のそれぞれのフォーマットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【YouTube広告規定】2023年度最新!YouTube広告の要件・サイズなどの動画規定

コネクテッドTV(ネット対応テレビ)への広告が対象

コネクテッドTVへの広告が対象

「YouTube30秒広告」は、コネクテッドTV(ネット対応テレビ)での広告が対象となります。現状では、スマホやタブレットへの配信は予定されていません。

「バンパー広告」「スキップ不可のインストリーム広告」はあらゆるデバイスに対応していますので、配信面がコネクテッドTVに限られていることは注目すべきポイントです。

限定されたチャンネルでのみ導入

「YouTube30秒広告」は、限定されたチャンネルでのみ配信されます。通常の運用型広告と異なり、「YouTube30秒広告」は予約型広告(YouTube Select)であるためです。

YouTube Selectとは

YouTube内の上位5%の優良チャンネルに広告を配信できる方法のこと。優良チャンネルは登録者数や視聴数が多く、センシティブなコンテンツも流していない良質なチャンネルとされています。

過激なチャンネルへの配信を避けられるため、コンプライアンスを気にする企業でも導入しやすいことがポイントです。

日本での導入は2023年後半の予定

「YouTube30秒広告」は、日本では2023年後半に導入される予定です。すぐに出稿したい場合は、今から広告用コンテンツを用意しておいた方がよいでしょう。

YouTube30秒広告のメリット

「YouTube30秒広告」のメリットは、以下の4つです。

  • TVerやABEMA、テレビCMの素材を流用しやすい
  • YouTubeならではの高いターゲティング精度
  • 普段テレビを視聴しない層にもアプローチできる
  • ストーリーテリングを伝えやすい

これまでのYouTube広告では難しかったプロモーション方法も、「YouTube30秒広告」であれば期待できます。とくに現在、テレビCMを出稿している企業は要注目です。それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

TVerやABEMA、テレビCMの素材を流用しやすい

素材を流用しやすい

「YouTube30秒広告」は『スキップされない』かつ『テレビデバイスでのみ配信』されることから、TVerやABEMA、テレビCMの素材を流用しやすいメリットがあります。

これまでのYouTube広告では、スキップ機能を前提にクリエイティブを作ることが重要とされていました。スキップされないためには冒頭5秒を工夫する必要があり、テレビCMの流用が難しかったのです。

一方、新しい「YouTube30秒広告」は、TVerやABEMA、テレビCMと同様の動画形式・仕様で配信することが可能です。そのため、YouTube用に新たなクリエイティブを作りなおす必要がありません。

YouTubeならではの高いターゲティング精度

YouTubeならではの高いターゲティング精度

YouTube広告ならではの高いターゲティング精度が期待できることも、「YouTube30秒広告」のメリットです。不特定多数に広くリーチするのに向いているテレビCMよりは、ターゲティングしやすいといえるでしょう。

同じくコネクテッドTVでプロモーションできるTVerやABEMAであれば、細かなターゲティングも可能です。しかし、Google(YouTube)ではユーザーの検索行動やウェブサイト閲覧履歴なども参照してターゲティングが行えるため、より精緻な配信が可能となります。このYouTubeならではのターゲティング精度があるため、TVerやABEMAに加えて新たな選択肢となることが期待されます。

普段テレビを視聴しない層にもアプローチできる

出稿媒体はYouTubeとなるため、普段テレビを視聴しない層にもアプローチできることもメリットの1つです。テレビを見ない層に、テレビCMと同等のクリエイティブで訴求できるため、プロモーションの幅が広がるともいえます。

ストーリーテリングを伝えやすい

ストーリーテリングを伝えやすい

スキップされない30秒間のクリエイティブで訴求できるため、これまでのYouTube広告よりストーリーテリングを伝えやすいことも魅力です。

ストーリーテリングとは

コンセプトや訴求ポイントを、それを想起させるような体験談・エピソードなどの「物語(ストーリー)」を用いて印象付ける手法のこと。ストーリーテリングを用いた広告は視聴者に強い印象を与えられるため、マーケティング上でも重要視されています。

ストーリーテリングを取り入れたクリエイティブは効果的ですが、印象的なエピソードを語るためにはある程度の尺を必要とします。これまでのYouTube広告はスキップされることが前提だったり、スキップされないフォーマットは6秒〜15秒程度の長さだったり、ストーリーテリングが難しい状況でした。

スキップされない30秒のフォーマットが導入されれば、これまでよりはストーリーテリングが容易になることが期待されます。

【動画マーケがおすすめ】優れたターゲティングでYouTube広告の実績豊富!

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YouTube30秒広告のデメリット

「YouTube30秒広告」にはこれまでの広告フォーマットにないメリットが多くありますが、次のようなデメリットも懸念されます。

  • ユーザーへ悪い印象を与える可能性がある
  • 他のYouTube広告素材を流用しづらい

「YouTube30秒広告」に出稿する際は、この2点に留意しておきましょう。

ユーザーへ悪い印象を与える可能性がある

YouTube広告は、「スキップできる」と考えているユーザーも少なくありません。これまでも5秒経過後にスキップが可能になる「スキップ可能なインストリーム広告」、6秒間スキップできない「バンパー広告」、15~20秒間スキップできない「スキップ不可のインストリーム広告」などがありましたが、スキップできない広告はユーザーに嫌がられることもあります。

「YouTube30秒広告」は強制的かつ視聴時間が30秒と長いため、スキップ可能な広告と比べると、ユーザーからの印象がより悪くなる可能性があることは考慮すべきポイントです。

他のYouTube広告素材を流用しづらい

「YouTube30秒広告」はこれまでのYouTube広告と前提が異なるため、広告素材を流用しづらいこともデメリットといえます。

たとえばスキップできない「バンパー広告」であれば6秒間と短い時間での認知獲得、「スキップ不可のインストリーム広告」であれば15〜20秒間での訴求が前提でした。また、「スキップ可能なインストリーム広告」のクリエイティブを30秒の尺で用意している場合、冒頭5秒にスキップされないための工夫がしてあるはずです。

一方、新しい「YouTube30秒広告」はスキップされず、30秒間は視聴してもらえることが前提です。そのため、これまでのYouTube広告フォーマットとは尺・ユーザー行動がともに異なっています。

テレビCMを流している企業であれば流用できますが、Web広告・SNS広告しか出稿していない企業は、新たにクリエイティブ素材を制作した方がよいでしょう。

YouTube30秒広告を活用するポイント

TVerやABEMA、テレビCMに変わる認知獲得手法として大きな可能性を秘めている「YouTube30秒広告」ですが、成果を出すためには次のポイントを意識してみてください。

  • コンテンツとしてのクオリティを高める
  • CM素材を流用する場合はターゲティングに注意
  • 他のYouTube広告素材の流用時は動画構成に注意
  • TVerやABEMA、テレビCMなどとの同時横断的な活用も検討する

「YouTube30秒広告」はこれまでのYouTube広告と同じ部分もあれば、全く異なる部分もあります。成果を出すためには、「YouTube30秒広告」ならではのポイントを重視しましょう。

コンテンツとしてのクオリティを高める

「YouTube30秒広告」の広告素材は、コンテンツとしてのクオリティを高めることが重要です。YouTube広告はスキップできると思っている人が多いため、ダラダラとした内容だと嫌がられる可能性が高いです。スキップできないことで悪印象を与えないためにも、最後まで飽きられないような工夫が必要と言えます。

最後まで見たいと思わせるような、コンテンツとしての質が高い広告素材を制作しましょう。

CM素材を流用する場合は広告の目的に注意

広告の目的に注意

CM素材を「YouTube30秒広告」に流用する場合は、広告の目的・ターゲティングに注意しましょう。

テレビCMは、広く認知を獲得することが目的の場合が多いのではないでしょうか。テレビCMは一度にリーチできる人数が非常に多いため、認知獲得手段としては非常に優れています。そのため、CM素材も「認知獲得」を目的として作られている場合が多いです。

一方、YouTube広告の強みは『テレビCMよりも正確なターゲティング』にあるため、コンバージョン獲得トラフィック促進を目的とした広告を出稿することもあるでしょう。

YouTube広告に出稿する目的がテレビCMと同じであれば、CM素材を流用しても問題ありません。しかし、テレビCMの目的は「認知獲得」、YouTube広告の目的は「コンバージョンの獲得や比較・検討層へのリーチ」である場合など、テレビCMと「YouTube30秒広告」へ出稿する目的が異なるのであれば、安易な素材流用は避けた方が無難です。広告目的に沿ったクリエイティブを出稿するように意識しましょう。

他の配信フォーマットと動画構成を差別化する

動画構成を差別化する

YouTube広告では、配信フォーマットによって最適なクリエイティブ構成が異なります。

「スキップ可能なインストリーム広告」で30秒のクリエイティブを作るケースも多いですが、この場合はスキップされないよう『冒頭5秒』が重視されている傾向にあります。しかし、「30秒広告」はスキップされないフォーマットですから、必ずしも冒頭5秒にこだわる必要はありません。

そのため、「スキップ可能なインストリーム広告」では冒頭5秒を重視した構成、「YouTube30秒広告」はストーリーテリングを意識した物語調の構成にするなど、フォーマットによって最適な構成に仕上げていくことが重要です。

「スキップ可能なインストリーム広告」「YouTube30秒広告」それぞれでクリエイティブ構成を変えた方が効果が出やすいということは覚えておきましょう。

TVerやABEMA、テレビCMなどとの同時横断的な活用も検討する

「YouTube30秒広告」と同時に、TVerやABEMA、テレビCMなども横断的に活用することも検討してみてください。これらのテレビデバイス向けの広告を同時に活用できれば、リーチを最大化するとともに、認知やブランディング効果の向上が期待できます。

配信戦略によっては、それぞれの媒体で少額からテストしてから、もっとも費用対効果の高い媒体へ集中投資してもよいでしょう。

まとめ

スキップされない「YouTube30秒広告」は、YouTube広告の可能性を広げるフォーマットとして注目されています。これまでのYouTube広告と異なり、「YouTube30秒広告」にはテレビCM的な要素も求められることがポイントです。

そのため、単なるYouTube広告代理店に依頼するよりも、YouTube広告とテレビCMの双方に精通している代理店の方が、効果的な戦略を提案してくれるでしょう。TVerやABEMAにも対応している代理店であれば、より横断的な提案も期待できます

動画マーケでは、映像制作とマーケティングのそれぞれに精通しており、YouTube広告・テレビCM・TVer・ABEMAの全てに対応している下記代理店をオススメしています。

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管野 優
BtoB、BtoC問わず幅広い領域で、動画を活用したマーケティングを支援。
SEOにも詳しく、動画フォーマットを基軸に、認知~獲得まで様々なKPIを指標としたプロモーションの提案・実行を担当。
動画メディアの中で最もシェアの広いYouTube広告をメインで担当するチームのマネージャーに。