照明が超重要!グリーンバックを用いたクロマキー合成に最適な撮影スタジオとは?
グリーンバックを用いて撮影を行うと、背景にCGや画像を合成した映像を制作することができます。しかし、クロマキー合成を行う場合はただグリーンバックがあればいいわけではなく、どのように照明を当てるのかや、どういった照明を使用するのかなどが重要に。
本記事では、グリーンバックを用いた撮影で重要になるライティングや照明のセッティング例、撮影スタジオを選ぶポイントなどについて詳しく解説していきます。クロマキー合成を行う際は照明が重要なファクターとなるため、撮影を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
グリーンバックを用いた撮影で重要になるライティング
クロマキー合成を行う際は、背景部分をきれいに透過させる必要があるため、背景の色を均一に保つ役割を果たすグリーンバックが必須となります。グリーンバックを用いた撮影で重要となるのは、以下の3つのライティング。
- トップライト
- キーライト
- バックライト
これらのライティングが行えるかどうかは撮影スタジオを選ぶ判断基準にもなるため、それぞれの役割や特徴を把握しておきましょう。
トップライト
トップライトとは、被写体の上から当てる光のこと。ベースライトとも呼ばれ、被写体の頭上だけでなく背面や側面など、全体を明るくする役割があります。
照明は主にスポットタイプのものとパネルタイプのものがありますが、ムラのない均一な光を全体に当てなければならないクロマキー合成において、トップライトは大光量、かつ広範囲に光を当てることができるパネルタイプのものが適しています。
キーライト
キーライトとは、人物の顔や前面を明るくするための光のこと。キーライトは被写体の近くに設置するのが望ましいものの、カメラの画角に入ってはならないため、カメラの画角を考慮した、被写体からやや離れた位置から当てる必要があります。そのため、キーライトは大光量のものがおすすめです。
トップライト同様、キーライトをスポットライトにした場合、照射範囲に制限のあるスポットライトではクロマキー合成のクオリティが下がってしまいます。キーライトはパネルライトにし、斜め上方から当てるようにしましょう。
バックライト
バックライトとは、被写体の後ろから当てる光のこと。後ろから光を当てることで髪の毛や肩の線がはっきりするため、立体感や質感を向上させることができます。
また、クロマキー合成においてはグリーンの境界線となるエッジを立たせることが重要になりますが、前からの光だけではエッジを立たせることができません。バックライトで立体感を出すことでエッジが立つようになり、クロマキー合成が行いやすくなります。
クロマキー合成を行う場合の照明のセッティング例
グリーンバックを用いた撮影で重要になるライティングについてお話ししましたが、実際にはどのように照明を配置すればいいのでしょうか。
出演者の人数や画角に応じた照明のセッティング例について、イラストをもとにご紹介していきます。
1名バストアップのライティング例
出演者が1名でバストアップの撮影となる場合のライティング例には、以下のようなものがあります。
背景CGの光源位置により、キーライトの位置は調整しなければなりません。プレゼンテーションなどの場合は、バストアップの撮影にすることで照明と被写体の距離を近づけられるため、照明の数を最小限に抑えることができます。
1名全身のライティング例
出演者が1名で全身を映す場合のライティング例には、以下のようなものがあります。
全身をライティングする際、難しくなるのが足元です。こちらのライティング例ではフロントの照明が一台となっていますが、足りない場合はカポックなどで光を起こしてもいいでしょう。
カポックとは?
スチール・映像撮影のどちらにも使用できる撮影補助の道具のこと。光を拡散させる・遮るなどの調整を行うことができます。
2名バストアップのライティング例
出演者が2名でバストアップの撮影となる場合のライティング例には、以下のようなものがあります。
バストアップの撮影であっても、人物・背景全体に照射しなければなりません。そのため、出演者の人数が増えると、より広範囲への照射が必要に。照明の数は出演者の人数に応じて増やすようにしましょう。
2名全身のライティング例
出演者が2名で全身を映す場合のライティング例には、以下のようなものがあります。
出演者に動きがある場合は動く範囲を想定し、少し広めに光を当てなければなりません。また、カメラの位置によっては照明をフロアに置けないことも。この場合は、昇降バトンで照明を吊り、フロントを作ることもあります。
3名以上のライティング例
出演者が3名以上の場合のライティング例には、以下のようなものがあります。
出演者が大人数の場合は、人物同士が干渉することで光が届きにくくなってしまうため、照明を多数設置する必要があります。
これらはあくまでも一例ではありますが、出演者の人数や撮影したい画角によって必要になる照明の数や配置などを把握しておきましょう。
クロマキー合成に適した照明のスタジオを選ぶポイント
グリーンバックを使用した撮影では、照明によってクロマキー合成のクオリティが左右されます。クロマキー合成を行う際はどのような点に注目してスタジオを選ぶべきなのか、詳しく見ていきましょう。
クロマキー合成に適したLED照明があるか
撮影に使用される照明にはさまざまな種類がありますが、最近ではLEDが主流に。これは、長時間使用すると熱を持ちやすいHMIなどに比べ、耐久性のあるLEDであれば、長時間の撮影でも安定した光量を保てるためです。
そんなLEDの中でも、特にクロマキー合成に適しているのは以下の2種類です。
ARRI社のLED照明
ドイツのメーカーであるARRI社のLED照明は、大光量、かつムラのない均一な光が特徴。ハリウッド映画をはじめ、イベントやCM、PV、中継、ドラマなど、さまざまな撮影で使用されており、ハイクオリティな映像コンテンツを制作するスタジオにおいてNo.1のシェアを誇っています。
グリーンバックにムラなく照明を当て、背景のグリーンをきれいに抜くことが重要となるクロマキー合成においては、ムラのない均一な光を当てられるARRI社のLED照明が適しているといえます。
また、ARRI社の照明がある撮影スタジオはクロマキー合成のノウハウがあると判断できるため、クロマキー合成に適したライティング技術を持つスタッフが在籍している可能性が高いでしょう。
Aputure社のLED照明
中国のメーカーであるAputure社のLED照明は、大光量のラインナップを揃えているのが特徴。ARRI社のLED照明に比べ、比較的安価であることから、Aputure社のLED照明を使用する撮影スタジオは増加傾向にあります。
また、光量もシーンに応じて多数ラインナップされているため、補助ライトとして採用されることが多くなっています。
天井が高く奥行きの広いスタジオを選ぶ
グリーンバックにムラなく均一に光を当てるためには、照射範囲を広くする必要があります。天井が低い場合、照射範囲を広げるためには照明の数を増やさなければなりませんが、天井が高いとライティングの選択肢が増え、照射可能な範囲も広くなります。
また、先ほどお話しした、グリーンバックを用いた撮影で重要になるトップライト、キーライト、バックライトを設置するためには、天井の高さだけでなく奥行きの広さも重要に。クロマキー合成を行う際は、少ない照明で広範囲に光を当てることができる、天井が高く奥行きの広いスタジオを選ぶようにしましょう。
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クロマキー合成で役立つライティングテクニック
クロマキー合成を行う際、撮影時に実践したいライティングテクニックをご紹介します。限られた照明しかない場合でもご紹介するテクニックを知っておけば、照射範囲や光量の調整ができるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
バウンス板の活用
バウンス板とは、光をバウンドさせるための板のこと。光を反射しやすい白のバウンス板を設置すると、上や横から当てているライトの光が跳ね返り、全体が明るくなるだけでなく立体感が出るといった効果があります。
照明の台数に限りがある場合や複数箇所への設置が難しい場合でも、バウンス板を利用することで全体が明るくなるため、補助光として活用することもできます。
ディフューズの活用
ディフューズとは、光源から発せられた光を被写体に届くまでに和らげる効果のことです。照明が大光量すぎると明るい部分と暗い部分のメリハリがつきすぎてしまい、被写体が白飛びするケースも。
光を全体に柔らかく当てたい場合は、フロストやトレーシングペーパー、シルクなど、専用の紙や布を一枚当てることで、光を和らげることができます。
ディフューズの具合によっては、ベースの光をより広範囲に広げた拡散光をつくることもできます。そのため、被写体の人数に対し、照明の数が少ない場合などに使用されるケースが多いです。
白シーツ・黒布の活用
グリーンバックで撮影する際、被写体の上から当てるトップライトが床面から反射すると、反射した光は床と同じ緑色に。床面から反射した光が緑色になると、足元や膝元に緑色がのり、クロマキー合成が行いにくくなってしまうのです。
しかし、足元に白いシーツや黒い布を敷いておくことで、足元や膝元に緑色がのることを防げます。グリーンバックを行う際は、白シーツや黒布を活用するようにしましょう。
アクセサリー類の活用
照明にはさまざまなアクセサリーが存在しており、それらを活用することで照明の光を目的に応じて調整することができます。
たとえば、ドーム型のランタンアクセサリー。
ランタンアクセサリーをスポットタイプのライトに設置すると、より広範囲に光を拡散することが可能に。反対に、スポットライトの範囲をより狭められるアタッチメントも存在しており、用途によって使い分けることができます。
こういったアクセサリー類を活用しているスタジオであれば、設置している照明の照射範囲などにとらわれず、さまざまな光の当て方が可能となるでしょう。
まとめ
クロマキー合成を行う際に重要になるライティングや照明のセッティング例、撮影スタジオを選ぶポイントなどについてお話してきましたが、いかがでしたか。
グリーンバックを用いたクロマキー合成に最適なおすすめの撮影スタジオは、こちらの記事でご紹介しています。
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【大阪・京都】大阪・京都でクロマキー・グリーンバック完備のおすすめ撮影スタジオ5選
ライティングはとても奥の深い分野のため、グリーンバックを用いたクロマキー合成を行う際は、クロマキー合成に適した照明や撮影ノウハウを持つスタジオを選ぶことが重要です。
動画マーケでは、グリーンバックを用いた撮影に最適なARRI社の照明を採用し、クロマキー合成に適したライティング技術を持つ専任の照明スタッフに撮影を任せられる下記の撮影スタジオをおすすめしています。
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- 高岸 亮介
- 高性能のカメラや映像処理ソフトウェアを使いこなし、映像の品質と効果を最大限に引き出すことを得意としている。
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