YouTubeバンパー広告の特徴とメリット・デメリット
動画マーケティング

YouTubeバンパー広告の特徴とメリット・デメリット

YouTube広告運用

自宅で過ごす時間が増え、動画配信サービスや動画共有サービスを利用する人が増えたことで、ますます利用者が増加傾向にあるYouTube。国内における認知率が96%と驚異的な数字を誇っており、幅広い年齢層に利用されているYouTubeをプラットフォームに、動画広告を配信する企業も年々増加しています。

本記事では、そんなYouTube動画広告における配信フォーマットの一つであるバンパー広告の特徴やメリット・デメリットバンパー広告で成果を上げるためのコツなどについて、詳しく解説していきます。YouTubeバンパー広告の配信を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

YouTubeバンパー広告とは?その特徴をご紹介

2016年に提供が開始されたYouTubeバンパー広告は、近年導入する企業が増えている動画広告です。YouTubeバンパー広告の特徴が一目でわかるよう、表にまとめました。

仕様スキップできない
広告の秒数6秒
課金方式表示課金(CPM課金)
費用相場1,000回表示ごとに300~700円
平均視聴率90~100%

YouTube広告の配信フォーマットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【必見】YouTube広告の配信メニュー(フォーマット)全種類を徹底解説

それでは、YouTubeバンパー広告の特徴について、以下で詳しく解説していきます。

仕様・特徴

バンパー広告

出典:動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ

YouTubeバンパー広告とは、YouTubeの動画の前後や途中で再生され、6秒間スキップできない広告のこと。スキップができないため、ユーザーに強制的に広告を見せることができ、ブランドの認知拡大に効果を発揮します

YouTubeバンパー広告の秒数は6秒間と定められており、短い尺の中でユーザーに強い印象を残すことを目的としているため、GoogleはYouTubeバンパー広告のことを「動画広告の俳句」と表現しています。

インストリーム広告との違い

インストリーム広告との違い

YouTubeの動画広告において、バンパー広告とよく比較されるのがインストリーム広告。YouTubeインストリーム広告には、「スキップ可能なインストリーム広告」と「スキップ不可のインストリーム広告」の2種類があり、それぞれ以下のような違いがあります。

種類仕様広告の秒数バンパー広告との違い
スキップ可能なインストリーム広告5秒経過後にスキップできる制限なしスキップの可否
スキップ不可のインストリーム広告スキップできない最大15秒広告の秒数

スキップ可能なインストリーム広告とバンパー広告は、スキップの可否が異なるため違いがわかりやすいですが、混合されやすいのがスキップ不可のインストリーム広告です。

スキップできない点がバンパー広告と共通しているスキップ不可のインストリーム広告ですが、最大15秒間の広告を配信できるため、6秒間のバンパー広告よりもユーザーに伝えられる情報量が多いのが大きな違い。

しかし、ユーザーは15秒間強制的に広告を視聴させられることになるため、不快感を感じやすいというデメリットがあります。

インストリーム広告には30秒以下のフォーマットも存在?

現在15秒以下の広告配信のみとなっているスキップ不可のインストリーム広告ですが、実は以前まで、30秒以下のフォーマットも存在していました。30秒の広告であればユーザーに対してしっかりとした訴求を行えますが、ユーザーは30秒間強制的に広告を見せられることになるため、広告の視聴自体がユーザーの負担となってしまうのではないかと懸念されるように。

そこでGoogleは、2018年に30秒のスキップ不可のインストリーム広告の廃止を決定。その代わりに、ユーザーに不快感を与えにくい6秒以内の広告が配信できるバンパー広告の提供が開始されたのです。

課金タイミング・費用相場

CPM課金(表示課金)

YouTubeバンパー広告の課金方式は、広告が1,000回表示されるごとに課金されるCPM(Cost Per Mille)課金。CPM課金は、広告が1,000回表示されたタイミングで入札によって決まった金額が課金されるため、表示課金とも呼ばれます。

バンパー広告のCPM課金の相場は、動画のジャンルによっても異なりますが、1,000回表示あたり:300~700円(1回表示あたり0.3~0.7円)です。

また、表示回数で金額が決まっている表示課金では、ユーザーに広告をクリックされた場合でも費用が変動することはありません。そのため、クリック率が高い広告であればあるほど、少ないコストで顧客を獲得することができます。

平均視聴完了率

バンパー広告はスキップできないため、基本的には最後まで広告を視聴してもらえます。ただし、途中で動画を切り替えたり、YouTube自体のアプリ・ブラウザを閉じるケースも想定すると、視聴完了率は90~100%程度になります。

とはいえ、非常に高い視聴完了率であることに違いはないため、ユーザーに確実に広告を視聴させたい、ブランドの認知を拡大させたい場合に適した広告フォーマットであるといえるでしょう。

YouTubeバンパー広告のメリット

YouTubeバンパー広告にはどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

少ない予算で表示回数およびリーチ数を最大化できる

リーチ数を最大化

YouTubeバンパー広告で採用されているCPM課金では、表示回数が最大になるよう広告が配信されるため、少ない予算で多くの人にリーチしやすいという特徴があります。

ユーザーが広告を1回視聴するごと、もしくはクリックなどの操作を行うごとに課金されるCPV(Cost Per View)課金と比べると、同じ予算で広告の表示回数が2~3倍多くなることも。

また、スキップができないことでユーザーが広告を必ず最後まで見ることになるため、6秒間の中で商品やサービスについてしっかりと訴求できれば、ユーザーにブランドを印象づけることができます。

ブランドの認知度が高まると、商品名やサービス名で検索される指名検索が増えるため、公式サイトなどへの流入数の増加が見込めるでしょう。

広告に集中してもらいやすい

スキップ可能なインストリーム広告の場合、広告が流れ始めるとユーザーは早く動画本編を見たいと思うため、視線が自然とスキップボタンに向かってしまい、広告の内容を見てもらいにくくなります。

一方で、スキップボタンがないバンパー広告の場合は、ユーザーの視線がスキップボタンに向かうことがないため、広告に集中してもらうことが可能に。

また、バンパー広告は広告の秒数が6秒と決まっているため、広告の秒数が15秒であるスキップ不可のインストリーム広告に比べ、ユーザーが飽きを感じる前に広告を最後まで見せることがでます。

ユーザーに不快感を与えにくい

スキップができない動画広告はユーザーの動画の視聴を妨げることになるため、スキップができる動画広告と比べると、ユーザーに不快感を与えやすいというデメリットがあります。

しかし、広告の秒数が6秒間と決まっているバンパー広告の場合、6秒が経過するとすぐに動画本編に切り替わるため、15秒間強制的に広告を見せられるスキップ不可のインストリーム広告と比べると、ユーザーは不快感を感じにくくなります。

ユーザーの認知拡大や商品理解を進めるうえで、ブランドや商品、サービス自体にマイナスなイメージを持たれてしまうのは避けたいところ。YouTubeバンパー広告では、ユーザーに広告を最後まで見てもらえるというメリットは残しながら、動画の視聴を中断されるユーザーのストレスを軽減させることができるのです。

モバイル端末に優先的に配信できる

モバイル端末に優先的に配信できる

YouTubeバンパー広告は、スマートフォンなどのモバイル端末に優先的に配信することができます。

2022年に行われたLINEの調査によると、インターネット利用者の日常的なインターネット利用環境の割合は、スマートフォン利用者が97%、パソコンの利用者が42%となっており、スマートフォンなどのモバイル端末でインターネットを利用する人が圧倒的に多くなっていることがわかります。

出典:LINE調べ(訪問留置調査・2022年10月実施)

利用者数の多いモバイル端末に優先的に広告を表示できることで、YouTubeバンパー広告は幅広いユーザー層へのリーチが可能となるのです

また、モバイル端末での動画視聴は外出先や移動中が多い傾向にあり、家でじっくりと動画を視聴する際に利用されやすいパソコンと比べると、動画の視聴時間が短時間になりやすいという特徴があります。

短時間の動画に秒数の長い広告が流れるとユーザーはより不快に感じやすいため、広告の秒数が6秒間と短いバンパー広告は、モバイル端末との相性がいいといえるでしょう。

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YouTubeバンパー広告のデメリット

YouTubeバンパー広告を配信する際は、メリットだけでなくデメリットも把握しておく必要があります。YouTubeバンパー広告にはどのようなデメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

広告に盛り込める情報量が少ない

広告に盛り込める情報量が少ない

バンパー広告は広告の秒数が6秒間と短く、広告の中に入れられる情報量に限りがあります。そのため、商品・サービスの特徴や価格など、ユーザーに伝えたいメッセージのすべてを広告の中に入れることはできません

6秒間という短い秒数の中でインパクトを残しながらも、ユーザーに伝えたいメッセージを入れ込むためには、クリエイティブに工夫を施す必要があります。専門的な知識や技術が必要となるため、広告制作の難易度は高くなるといえるでしょう。

コンバージョン重視のプロモーションでは効果を得られにくい

コンバージョンとは、広告で得たい最終的な成果のこと。商品・サービスの購入や資料請求など、広告を配信することでユーザーに行ってもらいたいアクションのことを指します。

YouTubeバンパー広告にはLPや公式サイトへと誘導するリンクを設置できますが、広告の秒数が6秒間と短いため、ユーザーがリンクをクリックする前に広告が終了してしまうケースが多く見られます。

そのため、コンバージョン獲得率が高いとはいえず、広告配信の目的がユーザーのアクションを促すことを目的とするプロモーションには少し不向きな広告フォーマットであるといえるでしょう。

配信結果から得られるインサイト(知見)が少ない

スキップ可能なインストリーム広告は、広告を最後まで視聴したユーザーやスキップしたユーザーの属性を分析できるため、分析結果から課題を抽出し、PDCAを回しやすいというメリットがあります。

しかし、バンパー広告にはスキップというユーザーの行動が発生しないため、広告の評価の指標は基本的に表示回数のみ。どのようなユーザーが広告に関心を持ったのかが分析しにくいため、広告を改善するヒントが得られにくいというデメリットがあります。

YouTubeバンパー広告で効果を引き出すための3つのコツ

広告の秒数が6秒間と短いYouTubeバンパー広告では、短い時間の中でユーザーの印象に残るような動画クリエイティブを制作し、伝えたいメッセージをユーザーに届けなければなりません。

では、YouTubeバンパー広告で最大の効果を引き出すためには、どのような工夫が必要になるのでしょうか。知っておきたい動画クリエイティブ制作のコツをご紹介します。

1.ペルソナを明確にする

ペルソナを明確にする

ペルソナとは、商品やサービスを利用する典型的なユーザー像のこと。実際にその人物が存在しているかのように、以下のような項目まで詳細に設定していきます。

  • 年齢
  • 性別
  • 居住地域
  • 職業
  • 年収
  • 趣味
  • 価値観
  • 家族構成
  • 休日の過ごし方
  • ライフスタイル

YouTubeバンパー広告では、年齢や性別だけでなく、ユーザーが興味や関心を持っているものごとまで詳細にターゲティング設定ができます。

ペルソナを設定し、ユーザー目線の精度を高めることができれば、より効果的な訴求文言やデザインなどを取り入れることが可能となり、ターゲットに刺さるクリエイティブが制作できるでしょう。

ユーザーに広告を必ず最後まで見てもらうことができるYouTubeバンパー広告の特性上、広告に興味を持ってもらうことができれば、商品名やサービス名で検索される指名検索が増える可能性が高く、公式サイトなどへの流入数の増加につながります。

2.伝えたいメッセージは1つに絞る

伝えたいメッセージは1つに絞る

広告の秒数が6秒間と短いYouTubeバンパー広告は、ユーザーに伝えられる情報量に限りがあります。

6秒間の中に商品・サービスの特徴や訴求、価格などのユーザーに伝えたいメッセージをすべて詰め込んでしまうと情報過多となり、ユーザーの混乱を招きかねません。何を一番伝えたいのかがわからなくなり、かえって逆効果になってしまう可能性も。

バンパー広告のクリエイティブを作成する際は、ユーザーに伝えたいメッセージを1つに絞り、そのメッセージを伝えるために効果的なクリエイティブを制作することが重要です。

メッセージを1つに絞るコツは、YouTubeバンパー広告を1つのキャンペーンの一部として捉えること。「商品を購入すると抽選で〇〇をプレゼント!」「SNSアカウントをフォロー&いいねすると抽選で〇〇が当たる!」など、キャンペーン広告は伝えたいことがシンプルです。

バンパー広告を制作する際も、複数のカットを入れたり多くのテキスト量を詰め込むようなことはせず、キャンペーンの内容の一番伝えたい部分を伝えられるよう、動画の構成をシンプルにするようにしましょう。

3.広告をシリーズ化する

ユーザーに伝えたいメッセージは1つに絞るとお話ししましたが、ユーザーに飽きられることなくブランドの認知を拡大させるためには、視点や表現方法を変えた広告をシリーズ化させ、複数パターン配信するのが効果的です。

同じ訴求を複数のクリエイティブで見せることで、1つの動画を配信し続けるよりもユーザーが広告の内容に興味を持ちやすくなり、ブランドの認知度をアップさせることが可能に。

また、複数のクリエイティブを作成すると、1つの広告をストーリーの一部として使用できるため、6秒間ですべての情報を伝える必要がなくなります

伝えたい情報を少しずつ分散させながらもシリーズに共通するパターンをユーザーに認識させることができれば、各広告がユーザーの中で結びつき、ブランドを想起させられるようになります。

複数のクリエイティブを制作する時間や手間はかかりますが、YouTubeバンパー広告をシリーズ化させ、さまざまな視点から広告を配信することで、より広告の効果を得られるようになるでしょう。

まとめ

YouTubeバンパー広告の特徴やメリット・デメリット、バンパー広告で成果を上げるためのコツなどについてお話してきましたが、いかがでしたか。

YouTubeバンパー広告は短期間で多くのユーザーにリーチできるため、ブランドの認知拡大に適した動画広告です。動画広告を制作する際は、広告を配信する目的を明確にし、目的にあった広告フォーマットを選ぶようにしましょう。

YouTubeバンパー広告のクリエイティブを制作する際はペルソナを設定し、伝えたいメッセージを1つに絞ったシンプルな構成にすることで、効果を得られやすくなります。効果的な訴求文言やデザインなどを取り入れ、ターゲットに刺さるクリエイティブを制作することを心がけましょう。

YouTubeバンパー広告の制作にお悩みの場合は、YouTube動画広告の制作・運用の実績が豊富な広告代理店や制作会社に相談するのがおすすめです。
実績のある広告代理店や制作会社であれば、ペルソナを明確にしたうえでユーザー惹きつけるクリエイティブを作成し、効果的な方法で配信・運用を行ってくれるでしょう。

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管野 優
BtoB、BtoC問わず幅広い領域で、動画を活用したマーケティングを支援。
SEOにも詳しく、動画フォーマットを基軸に、認知~獲得まで様々なKPIを指標としたプロモーションの提案・実行を担当。
動画メディアの中で最もシェアの広いYouTube広告をメインで担当するチームのマネージャーに。