YouTube広告の費用の目安は？配信単価の相場から必要予算を計画しよう

YouTube広告の配信単価が決まる仕組み

YouTube広告の配信単価は様々な要素の影響を受け変動します。どのような要因で変動するのかを把握することは、予算の決定やより効率的なYouTube広告運用に欠かせません。

YouTube広告の課金発生の仕組みはオークション（入札）形式

YouTube広告ではオークション（入札）制となっています。リスティング広告と同様に、出稿されている数多くの広告の中からGoogle広告が自動的に入札を実行し、配信する広告が決定される仕組みです。オークションはGoogle広告側によって広告配信のタイミングごとに行われます。

オークション実行の際には、入札単価（予算や設定済の上限単価）や広告の品質をもとに配信する広告が決定されます。入札単価（予算や設定単価）が競合する広告よりも低かったとしても動画の品質（視聴率などのパフォーマンス）が良ければ広告配信権を獲得できる仕組みになっているため、費用対効果を高めるためにはクリエイティブ制作も重要になります。

YouTube広告の４種類の課金形態

YouTube広告の課金方法には、以下の3種類があります。

視聴課金（CPV）	▶インフィード広告（ディスカバリー広告）の場合： サムネイルもしくは見出しがクリックされ動画の再生が開始されたら費用が発生。 ▶スキップ可能なインストリーム広告の場合： 30秒以上視聴（30秒未満の動画では最後まで視聴）した時に課金。またはユーザーがリンクのクリックなどの操作を行ったタイミングで費用が発生。
目標インプレッション単価 （目標CPM）	インプレッション（=広告が画面に表示された回数）の1,000件ごとに費用が発生。 1000回表示されるのにかかる入札単価を設定。
目標コンバージョン単価 （目標CPA）	コンバージョンが1件発生ごとに費用が発生。 コンバージョン1件を獲得するのにかかる目標入札単価を設定。
コンバージョン数の最大化	コンバージョン数が最大化されるよう、入札ごとに自動でコンバージョン単価が設定される。

下記にて一つずつ詳しくご紹介していきます。

YouTube広告の課金方式1.視聴課金（CPV）

視聴課金では、動画再生された1回あたりに課金されます。視聴課金で発生する単価はCPV（Cost Per View）とも呼ばれます。YouTube広告における「視聴」の定義は、選択する配信メニュー（フォーマット）により異なり、課金が発生するタイミングも異なります。

■インフィード広告（ディスカバリー広告）の場合
サムネイルもしくは見出しがクリックされ動画の再生が開始されたら費用が発生

■スキップ可能なインストリーム広告の場合
30秒以上視聴（30秒未満の動画では最後まで視聴）した時に課金。またはユーザーがリンクのクリックなどの操作を行ったタイミングで費用が発生。

YouTube広告の課金方式2.目標インプレッション単価（目標CPM）

インプレッション課金では、インプレッション（=広告が画面に表示された回数）の1,000件ごとに課金されます。インプレッション課金で発生する単価はCPV（Cost Per View）とも呼ばれます。

1表示あたりの単価が安価となる傾向にあります。そのため主にバンパー広告やスキップ不可のインストリーム広告などのスキップ出来ない広告で、表示回数（=動画視聴リーチ数）を最大化しブランディングや認知拡大を目的とする場合に選択されることが多いです。

YouTube広告の課金方式3.目標コンバージョン単価（目標CPA）

目標コンバージョン単価では、コンバージョン1件を獲得するのにかかる入札単価を設定します。コンバージョン単価は、CPA（Cost Per Action）とも呼ばれます。目標コンバージョン単価は、キャンペーン目標にて「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」を選択した場合に使用されます。

YouTube広告の課金方4.コンバージョン数の最大化

コンバージョン数の最大化は、1日あたりの広告予算の中でコンバージョン数の最大化を目指す配信方式です。コンバージョン数の最大化を設定すると、過去の配信データにもとづいて、オークションごとに最適なコンバージョン単価が自動的に算出され入札されます。

コンバージョン数の最大化は、キャンペーン目標にて「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」を選択した場合に使用されます。

【YouTube広告の配信メニュー（フォーマット）別 】単価相場の一覧

YouTube広告の単価の相場は、選択する課金方式や配信メニュー（フォーマット）により異なります。
ここでは配信メニュー（フォーマット）別に、配信単価の相場や目安をご紹介しています。広告の目的や予算に応じて最適な選択ができるようチェックしてみてください。

YouTube広告の配信メニュー（フォーマット）については、下記の記事で詳しく解説しています。
【必見】YouTube広告の配信メニュー(フォーマット)全種類を徹底解説

スキップ可能なYouTubeインストリーム広告の課金方式と相場

出典：動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ

スキップ可能なYouTubeインストリーム広告は、広告動画が再生されて5秒経過するとユーザーは広告をスキップできるようになります。

視聴単価（CPV）

ユーザーが動画をスキップせずに30秒以上視聴（30秒未満の動画では最後まで視聴）した場合、またはユーザーがリンクのクリックなどの操作を行ったタイミングで費用が発生します。単価の相場は、3円～10円です。

スキップ可能なインストリーム広告では30秒未満でスキップされた場合は、広告動画が表示されていても広告料金が発生しないため、30秒以内であれば実質無料で認知拡大できます。非常に費用対効果の高い配信形態となります。

目標インプレッション単価（目標CPM）

広告が1,000回表示されるごとに発生する費用を設定します。スキップなど関係なく、1,000回表示につき費用が発生します。インプレッション単価の相場は、1,000回インプレッションあたり400円～600円です。視聴単価に換算すると、1視聴当たり0.4~0.6円と非常に安価です。リーチ数や視聴回数は非常に多くなります。

しかし表示された時点での課金となるため、スキップするような興味がないユーザーに表示された場合でも費用が発生してしまう点はデメリットと言えます。

スキップ不可のYouTubeインストリーム広告の課金方式と相場

出典：動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ

15秒以下の動画広告で、ユーザーはスキップすることができません。

目標インプレッション単価（目標CPM）

広告が1,000回表示されるごとに発生する費用を設定します。スキップ出来ない広告のため、1表示=1回の完全視聴となります。インプレッション単価の相場は、1,000回インプレッションあたり400円～600円です。

YouTubeバンパー広告の課金方式と相場

出典：動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ

YouTubeバンパー広告は、最大6秒間でスキップ出来ない広告です。

目標インプレッション単価（目標CPM）

広告が1,000回表示されるごとに発生する費用を設定します。スキップ出来ない広告のため、1表示=1回の完全視聴となります。インプレッション単価の相場は、1,000回インプレッションあたり300円～500円です。

視聴単価ではありませんが、視聴単価に換算した場合にもっとも単価を抑えた配信となります。そのため、とにかく多くのリーチ数や視聴回数を得たい場合におすすめです。

YouTubeディスカバリー（インフィード）広告の課金方式と相場

出典：動画広告フォーマットの概要 – Google 広告 ヘルプ)

インフィード動画広告は、動画のサムネイル画像とテキストで構成された広告が表示され、ユーザーにクリックされた場合にのみ動画広告が再生されます。

視聴単価（CPV）

サムネイルもしくは見出しがクリックされ動画の再生が開始されたら費用が発生します。平均視聴単価は3円～20円です。

興味を持ったユーザーだけがクリックして動画の視聴を開始するため、商品に興味があるユーザーに費用が発生することとなり広告費の無駄を抑えることができます。

動画アクションキャンペーンの課金方式と相場

出典：動画アクション キャンペーンについて – Google 広告 ヘルプ)

動画アクションキャンペーンでは、Google側にてパフォーマンスが良い配信先や配信形式を自動で調整し最適化されて配信されます。コンバージョンの獲得などのユーザーの行動を目的とした広告となります。

目標コンバージョン単価（目標CPA）

コンバージョン1件を獲得するのにかかる入札単価を設定します。
目標コンバージョン単価（目標CPA）は、何をコンバージョンに設定するのかによって費用が大きく変化するため、具体的な相場を示すことができません。目標CPAの設定時には、相場を把握したうえで、現実的かつ赤字にならない金額に設定することがポイントとなります。

コンバージョン数の最大化

1日あたりの広告予算の中でコンバージョン数の最大化を目指すよう、オークションごとに最適なコンバージョン単価が自動的に算出され入札されます。こちらのコンバージョン単価の相場についても、何をコンバージョンとするかや競合の状況などにより大きく変動するため、相場を示すことが難しいです。

ある程度配信が進み相場感が把握できたタイミングで、目標コンバージョン単価を設定し、出来るだけ単価を抑えることでコンバージョン獲得数を最大化することができます。

求める効果から予算シミュレーションを行う方法

ここまで、YouTube広告の配信フォーマットや配信単価についてご紹介してきました。しかし相場については理解できたが、実際にYouTube広告を実施する際に自社ではどれぐらいの予算を用意する必要があるか悩むことも多いでしょう。

そこで、ここからはYouTube広告の費用や予算の決定の際に役立つシミュレーションを行う方法をご紹介します。シミュレーションを行うことで、あらかじめ想定される予算や視聴回数、表示回数などの目標となる数値を算出できるため、目標設定やそれに合わせた予算の決定に役立てることができます。

予算シミュレーションとは

YouTube広告は、配信フォーマット（メニュー）や課金形態により、単価の相場や目安が存在します。それらの数値を使って、予想される重要な指標を算出（=シミュレーション）することができます。

下図はスキップ可能なインストリーム広告のシミュレーション例です。このように、表示回数や視聴回数などの指標と、それを獲得するために必要な予算を知ることができます。

広告形式	予算	表示回数	視聴数	視聴単価
インストリーム広告	300,000円	21万～42万回	7.5~15万回	2円～4円

こういったシミュレーションを行うことで、YouTube広告配信前に知りたい下記のような内容を事前に予想することができるので是非参考にしてみて下さい。

• 予算内でどれぐらいの視聴回数・表示回数等の獲得ができるか知りたい
• 目標となる数値を決定したい
• 目標となる数値があり、それを達成するために必要な予算を知りたい

予算シミュレーションの流れ

一般的には、シミュレーションは下記の流れで行います。

1. YouTube広告を配信する目的や目標を定める
2. YouTube広告を出稿する配信メニュー（フォーマット）・課金形態を決定する
3. ターゲティングを考える
4. 指標を決定する
5. シミュレーションを行う

１.YouTube広告を配信する目的や目標を定める

まず最初にYouTube広告を配信する目的や目標を定めましょう。目的や目標によって、最適な広告フォーマットや課金形態は変わってきます。ブランド認知度を高める目的なのか、製品の売上を増やしたいのか、特定のセグメントに訴求したいのか、など具体的な目標や目的を把握しましょう。

２.YouTube広告を出稿する配信メニュー（フォーマット）・課金形態を決定する

YouTube広告にはさまざまなフォーマットがあるため、それぞれの特徴や利点を把握し、目的達成のために最も効果的な広告フォーマットを選ぶようにします。また課金形態も様々です。目標に対して費用対効果の高いものを選ぶことがポイントとなります。

最適な配信メニューや課金形態が判断しきれない場合には、シミュレーションを行い数値を見たうえで最適なものを判断するのも良いでしょう。その場合は、どのパターン（配信メニュー×課金形態）でシミュレーションを行いたいかだけ決定しておくようにします。

３.ターゲティングを考える

ターゲットとなるユーザーに広告を表示させるためのターゲティングを考察します。シミュレーションを行う時点では、詳細なターゲティングの決定は必要ありません。しかし、広告配信をイメージするためにも、下記のようなざっくりとしたターゲティングは把握できていると良いでしょう。

• 配信地域
• 年齢
• 性別
• デバイス
• 興味関心

4.指標を決定する

シミュレーションで算出したい指標を決定します。広告の目的や目標に応じて決定します。例えば、とにかく動画を見てもらって認知拡大したいという目的の場合は、表示回数と視聴回数が重要な指標となります。動画を見てもらった上でwebサイトへの流入やその後の具体的な行動（コンバージョン）を目的とする場合は、クリック数やコンバージョン数を算出するようにします。

シミュレーションで算出できる主な指標は下記の通りです。

• 視聴回数
• 表示回数
• クリック数
• コンバージョン数

５にて後述する方法で計算式にあてはめれば、これらの指標を算出することができます。

5.シミュレーションを行う

1~４の準備ができたら、数値を算出していきます。まず、費用や予算が決まっている場合の計算方法は以下の通りです。下線を引いている数値に関しては、推定値を憶測した上であてはめて計算する必要があります。

求めたい数値	計算方法	計算例 （広告費予算50万円の場合）
視聴回数	視聴回数=予算÷視聴単価	10万回（視聴回数）=50万円（予算）÷5円（視聴単価）
表示回数	■視聴単価の場合： 表示回数=視聴回数÷視聴率 または ■表示単価の場合： 表示回数=予算÷表示単価/1,000	■25万回（表示回数）=10万円（視聴回数）÷40%（視聴率） または ■100万（表示回数）=50万（予算）÷500円（表示単価）/1,000
クリック数	クリック数=費用÷平均クリック単価	1,250回（クリック数）=50万円（費用）÷400円（平均クリック単価）
コンバージョン数	クリック数 × コンバージョン率	50回（コンバージョン数）=1,250回（クリック数 ）×4％（コンバージョン率）

下線を引いている数値に関しては、実際の配信結果に近い数値を推定できていればシミュレーション予測と配信結果は近しいものになるでしょう。そのためこれらの数値の予測がシミュレーションの肝となります。予測する際には、自社や他社の過去の運用実績を流用するのがおすすめです。

数値を予測する方法

■自社で既にYouTube広告を運用の経験がある場合

過去のYouTube広告の配信結果を参考にします。その際、できるだけ同様のターゲティング、業界、目的の広告配信結果を参考にし、条件を近づけたシミュレーションにするようにしましょう。

■初めてYouTube広告を実施する場合

当ブログのように広告に関するブログ記事やメディアで数値が紹介されている場合もありますので、それらを参考にすることができます。しかし、単価や獲得率は、業界やターゲティング、クリエイティブの品質、ランディングページ等の様々な要素で変動します。
例えば、ランディングページがコンバージョン獲得に最適なものでなければコンバージョン率は大幅に下がります。また動画の品質が悪ければ、視聴率やクリック率は低くなるでしょう。このように初めて広告運用をされる場合は予測が難しい場合も多いでしょう。

その場合YouTube広告を外注する予定であれば、広告代理店にシミュレーションを依頼することができます。代理店は様々な業界の案件を取り扱っていることが多いため、経験や実績に基づいた予測数値を得ることができます。外注することでシミュレーションを得られるだけでなく、より効率的な配信の方法や業界の傾向など、様々な知見をもとに広告運用でき、費用対効果を上げることができるというメリットもありおすすめです。

まとめ

本記事では、YouTube広告の配信前に知っておきたい配信単価や相場についてと、シミュレーションの方法をご紹介しました。YouTube広告の単価は、様々な要素で変動します。そういった仕組みを知っておくことで、広告効果を高めたり、単価を安価に抑えるコツを知ることができます。また、シミュレーションでは配信結果や目安となる数値を達成するために必要な予算を予測することができます。

YouTube広告の運用をプロの専門会社へ外注依頼を検討されている場合、運用に手慣れたYouTube広告専門の広告代理店にシミュレーションを依頼することができます。
動画マーケでは、下記のYouTube広告専門の運用会社をおすすめしています。ターゲティングや最適な予算を掴むことができるため、ぜひ依頼してみてください。