YouTube広告を出稿しよう！広告の仕組みや特徴、始め方を詳しく解説

YouTube広告とは？

YouTubeは、言わずと知れた世界最大の動画共有プラットフォームです。数十億人のユーザー数を誇っており、ユーザーはさまざまなジャンルやテーマの動画をアップロード、また視聴することができます。個人の趣味や興味に基づいた多様なコンテンツがあり、音楽、エンターテイメント、教育、ニュース、ビデオブログなど、ほぼあらゆる分野の動画が利用可能です。

そのYouTubeプラットフォーム上で表示される広告が、YouTube広告です。YouTube広告は、企業がブランドや製品、サービスを認知拡大・宣伝する目的で利用されることが多く、最も一般的な動画WEB広告の媒体の一つとなっています。

YouTube広告の特徴とメリット

どんな広告媒体にも、メリット・デメリットが存在します。これらを理解した上で広告媒体の選択や予算配分、クリエイティブ制作など行うことが広告の成功には必要不可欠です。まずは、YouTube広告のメリットをご紹介します。

【YouTube広告のメリットの一覧】

1. 巨大な視聴者層
2. 柔軟なターゲティング
3. 様々な配信形式
4. 音声付きの動画による訴求
5. 結果が数値でわかり効果測定が可能
6. 少額からでも配信できる

YouTube広告のメリットはさまざまです。広告配信時にこれらのメリットを活用することで、成果を最大化できるようにしましょう。

メリット1.巨大な視聴者層

YouTubeは世界中で数十億人のユーザーを抱える世界最大級のオンライン動画プラットフォームです。広告主は広告を通じて多くの人々にリーチすることができます。

視聴できるコンテンツの内容が幅広いことから、利用者は子供や若者から中高年層、シニア世代まで幅広いです。そのため企業やブランドは、あらゆるユーザーに広告をリーチさせることができます。

メリット2.柔軟なターゲティングでターゲットを絞れる

YouTube広告の配信は、下記のような柔軟なターゲティングが可能です。

• ユーザー属性（年齢／性別／子供の有無／世帯収入）
• 地域（地名指定／任意の座標による範囲指定）
• 興味・関心・購買行動に基づくターゲティング
• プレースメント（任意のYouTubeチャンネル／YouTube動画／ウェブサイトを指定）
• キーワード（指定したキーワードと関連性の高い動画ジャンルへの配信　

こういったターゲティングを効果的に活用することで、自社の広告でリーチしたいターゲット層に広告を配信し、成果を高めることができます。

メリット3.さまざまな配信形式

YouTube広告にはさまざまな配信形式があり、自社の配信内容や目的、予算などに合わせて最適なものを選択して配信できます。選択可能な配信形式には、下記のようなものがあります。

• スキップ可能なインストリーム広告
• スキップ不可のインストリーム広告
• バンパー広告
• インフィード（ディスカバリー）広告

それぞれの配信形態でメリット・デメリットは存在しますが、さまざまな配信形態から自社の状況に応じたものを選択したり使い分けたりできることは大きなメリットといえるでしょう。

メリット4.音声付きの動画による訴求

動画の視聴を目的に利用されているYouTubeで配信するYouTube広告は、当然、広告として動画を配信することとなり、基本的には有音で広告を見てもらえます。一方で、Instagram広告やX（旧Twitter）広告などのSNS広告などでも動画広告を配信できますが、クリックされない限りは無音で再生されることが多いです。

有音で再生される動画形式の広告には、さまざまなメリットがあります。

あらゆる表現で多くの情報を伝えられる

映像と音声の組み合わせにより、音楽やアニメーションを使用するなどして製品・サービスの魅力や特長を分かりやすく表現したり、印象付ける工夫をしたりとさまざまな表現をすることができます。

さらに映像のみや音声のみ、また画像のみの場合よりも、圧倒的に多くの情報量を伝えられます。

インパクトのある広告で惹きつける

映像と音声の両方で、インパクトのある広告を配信することができます。商品やサービスを知ってもらうためのきっかけにつなげる工夫ができるでしょう。

記憶や広告想起につなげる

映像による視覚と音声による聴覚の両方で訴求することで、ユーザーの記憶に残りやすくなります。記憶に残ることで、商品を検討する際に広告想起してもらえ、競合他社よりも優位に立てるという効果が期待できます。

感情を喚起し、共感を得る

音声付きの動画は、ストーリーテリングやエンターテインメント要素を取り入れるなどの工夫により視聴者の感情を喚起することが可能となり、ブランドや製品に対する興味や関心を高められます。共感を生みやすくなることで、ブランディングにも大きなメリットを与えられるでしょう。

メリット5.結果が数値でわかり効果測定が可能

YouTube広告配信後は、視聴率、視聴回数、クリック率などの数値を確認できます。これらの数値を分析することは、広告パフォーマンスを評価するだけでなく、次回の配信時の改善にもつなげられます。

広告は、ターゲティングや動画クリエイティブの品質によりパフォーマンスが左右されるため、実際に広告を配信した効果を把握し、PDCAを回していくことが成功のカギとなります。

メリット6.少額からでも配信できる

YouTube広告はTVCMなどのマス広告と比較すると、少額からの配信が可能となっています。実際に出稿する際には予算を1円単位で設定できるので、非常に安価なコストから始められます。

そのため、初めてのYouTube広告でまずは効果を検証したい場合や、ある特定の商材のテストマーケティングなど、さまざまなシーンで活用できるでしょう。

多くの場合、1か月10万円～ほどの予算を見積もっておくとよいでしょう。あまりに予算が少ないとリーチできるユーザーが限られてしまい、広告の効果も少なくなることで正しい効果検証が難しくなるためです。

本当に効果的？YouTube広告のデメリットを把握しておこう

YouTube広告には以下のようなデメリットもあります。しかし、適切な広告戦略やターゲティングなどにより、デメリットを最小限に抑えることは可能です。では、YouTube広告のデメリットについて詳しく見ていきましょう。

【YouTube広告のデメリットの一覧】

1. スキップされる可能性がある
2. ネガティブなイメージを持たれる可能性がある
3. 動画制作費用や労力、時間が必要
4. 効果改善のノウハウが必要

デメリット1.スキップされる可能性がある

スキップ可能な配信形態の場合、5秒以上経過すると利用者はスキップできるようになります。どれだけクオリティの高い動画広告を制作しても、スキップされる可能性があることはデメリットといえます。

そのため、スキップ可能なインストリーム広告の場合は、必ず見てもらえる冒頭の5秒間で認知拡大ができるよう工夫する、スキップされない工夫が必要になります。このように、制作動画を配信形態（フォーマット）に合わせたものにすることが大変重要で、広告効果を左右するといっても過言ではありません。

デメリット2.ネガティブなイメージを持たれる可能性がある

インストリーム広告の場合、ユーザーが見たい動画を再生した際に、再生前や再生途中などに強制的に広告が配信される仕組みとなっています。そのため、ユーザーは広告を強制的に見せられていると感じやすく、商品やサービスにネガティブな印象を持たれる可能性があります。

特に、スキップ不可のインストリーム広告は15秒間強制視聴させる配信形態となっているため、注意が必要です。その他の配信フォーマットの場合でも、動画の品質が低い場合はマイナスイメージを与えたり、内容によってはクレームが発生する場合もあるので注意しましょう。

デメリット3.動画制作費用や労力、時間が必要

YouTube広告には動画が必要になりますが、商品やサービスをしっかりと訴求し、魅力を伝えるためにも、動画制作はプロの業者に依頼することをおすすめします。

動画制作会社や広告代理店などのプロの業者に依頼する場合、動画制作のコストと時間がある程度かかることはデメリットとなるかもしれません。ただし、一度制作した動画は店頭や展示会などの他の場面や他の広告媒体でも使用できるため、動画マーケティングにおいて有効活用できるのです。

デメリット4.効果改善のノウハウが必要

YouTube広告を運用していくにあたり、広告の効果改善は必要不可欠です。配信結果を見ながら効果測定を行い、動画クリエイティブやターゲティングの配信設定を変えるなど、改善していく必要があります。

広告初心者の場合、この効果改善のノウハウがない場合が多く、うまく配信の調整が行えないことも。広告配信後の効果改善のノウハウがなければ、YouTube広告の効果を最大化できず、費用対効果が悪くなる可能性もあるため注意が必要です。

意外と知らない？YouTube広告の仕組みを詳しく解説

YouTube広告は、親会社にあたるGoogleが管理しています。そのため、広告の出稿や設定はGoogle広告の一つとして、Google広告の管理画面上から行います。

YouTube広告が配信される仕組み

YouTube広告の配信にかかる費用は、基本的に入札形式で決定されます。広告配信のタイミング（表示1回ごとに）で自動オークションが行われ、設定した予算や上限入札単価に基づき、Googleにより自動で入札が行われます。

このように、他社や同様の広告との間で広告枠の競り合いが行われ、勝った企業の広告が配信されるという仕組みです。

YouTube広告の配信単価が決まる仕組み

前途のとおり、広告が配信されるかどうかはオークションで決定され、入札に競り勝った広告が表示されることになります。入札単価（配信単価）は設定した予算や上限入札単価だけでなく、広告の品質も加味されます。つまり、入札金額が競合する広告より低かったとしても、広告の品質が良ければ広告枠を獲得できる可能性があります。

広告の品質は、動画やその他のクリエイティブなどのパフォーマンス（推定クリック数、広告の関連性、ランディングページの利便性など）から評価されます。そのため、クリエイティブのパフォーマンスを高められるように工夫して動画を制作することで、入札単価を抑え、費用対効果を高めることができます。

YouTube広告の課金が発生するタイミング

YouTube広告の課金のタイミングは、広告が表示されたタイミングやクリックされたタイミングなどさまざまで、配信メニュー（フォーマット）の選択や設定時の選択により異なります。

各配信メニュー（フォーマットの）の課金方式は、下図のとおりです。

配信メニュー（フォーマット）	課金方式
スキップ可能な YouTubeインストリーム広告	視聴単価（CPV）
	目標インプレッション単価（目標CPM）
スキップ不可の YouTubeインストリーム広告	目標インプレッション単価（目標CPM）
YouTubeバンパー広告	目標インプレッション単価（目標CPM）
YouTubeディスカバリー（インフィード）広告	視聴単価（CPV）
動画アクションキャンペーン	目標コンバージョン単価（目標CPA）
	コンバージョン数の最大化

それぞれの配信メニュー（フォーマット）の費用の仕組みをしっかりと理解したうえで、YouTube広告を出稿するようにしましょう。YouTube広告の費用についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
YouTube広告の費用の目安は？配信単価の相場から必要予算を計画しよう

YouTube広告の入稿方法は？3つの設定手順をご紹介

ここからは、YouTube広告を始める際の実際の出稿手順や、設定に必要なことについて解説していきます。YouTube広告を始めたいものの、どのような流れで始めればいいのかが分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

YouTube広告の入稿は、大きく分けると以下の3つの手順で行います。

1. YouTube広告に必要な動画やアカウントなどの用意
2. YouTubeに動画をアップロード
3. YouTube広告の入稿・設定

1.YouTube広告に必要な動画やアカウントなどの用意

まずは、YouTube広告に使用したい動画を制作し、Google広告アカウントを用意します。YouTube広告には複数の広告フォーマットがあり、フォーマットごとに最適な動画の仕様や入稿規定が異なります。動画制作を始める前に、それぞれの違いを確認しておくようにしましょう。

YouTube広告のフォーマットごとの入稿規定や制作のコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【完全網羅】YouTube広告の動画制作のコツとは？入稿規定や注意点も

また、広告出稿を代理店などに依頼せず自社で実施する場合、Google広告アカウントを作成する必要があります。Google広告アカウントは、Googleアカウントがあれば無料ですぐに作成できます。こちらにアクセス後、サイト内の「今すぐ開始」をクリックし、指示通り広告アカウントの作成に進みましょう。

2.YouTubeに動画をアップロード

YouTube広告で配信する動画は、YouTubeにアップロードされている必要があります。アップロードの手順は、下記のとおりです。

1.YouTubeアカウントにログイン

YouTubeにアクセスし、YouTubeアカウントでログインします。

※YouTubeアカウントで設定されているプロフィール写真は、YouTube広告配信の際にロゴとして表示されるため、正式なものにしておきましょう。

2.動画をアップロード

画像の赤丸の箇所をクリックし、画像をアップロードします。

3.動画の詳細を入力

画像で示された箇所に、動画についての詳細な内容を入力します。

※選択する配信フォーマット（メニュー）によっては、「タイトル」と「動画のサムネイル」が表示される場合があります。広告としてのみ配信する動画の場合でも、この2つはしっかりと設定する必要があります。

※公開設定は「公開」または「限定公開」を選択してください。動画を広告としてのみ使用する場合は、「限定公開」にしておけばYouTubeで検索しても表示されることはありません。「非公開」ではYouTube広告として使用できないため注意しましょう。

4.動画リンクを確認

動画の公開が完了したら、「動画リンク」を確認してください。YouTube広告の設定時にリンクURLを使用しますので、後で確認できるようにコピーしてメモ帳などに貼り付けておきましょう。

3.YouTube広告の入稿・設定

ここからは、YouTube広告の入稿時に行う設定の仕方について説明します。

【YouTube広告の設定方法】

1. Google広告の管理画面から広告を作成
2. キャンペーンの目標を設定
3. 予算/入札戦略/地域などを設定
4. ユーザー属性/配信オーディエンスを設定
5. 動画広告を作成
6. 審査に進む

1.Google広告の管理画面から広告を作成

Google広告にログインし、メニューから「キャンペーン」をクリック、「+」ボタンをクリックします。そしてプルダウンメニューの中から「新しいキャンペーンを作成」を選択します。

2.キャンペーンの目標を設定する

キャンペーンの目標を一つ選択し、「続行」をクリックします。キャンペーンタイプは「動画」を選択しましょう。

3.地域/入札戦略/言語/予算/日程などを設定

こちらの内容はキャンペーン単位での設定となり、広告の基盤となる部分の設定です。十分に戦略を立てたうえで決定し、設定していくようにしましょう。

4.ユーザー属性/配信オーディエンスを設定

こちらの内容は、広告グループ単位での設定となります。広告の目的に合わせて詳細なターゲティングを調整することで、ユーザーを絞って効率的に広告を配信できます。

ターゲティングに関してはこちらの記事に詳しくまとめていますので、設定の際に参考にしてください。
【保存版】YouTube広告のターゲティング手法9種を一覧でご紹介

5.動画広告を作成

動画は広告単位での設定となるため、URLを貼り付け、該当の動画が表示されたら選択します。動画名などで検索して動画を選択することもできますが、「限定公開」でアップロードしている場合は検索結果に表示されません。

「広告を保存」をクリックして次に進むと、動画の詳細を入力する画面に切り替わります。最終URLや行動を促すフレーズなどを指示に従って入力・設定し、最後に「キャンペーンに進む」をクリックして設定は完了です。

6.審査に進む

キャンペーンの作成が完了したら、Google側で自動的に審査が開始されます。承認されれば、設定したスケジュールに基づいてYouTube広告が配信開始されます。

審査は当日中に終わることが多いですが、数日かかることもあります。審査の状況は、管理画面の「ステータス」の欄で確認できます。

もし審査に通らなかった場合は、どのポリシーに違反しているのかを確認しましょう。動画や設定内容の修正が必要な場合がありますので、その場合は変更対応し、再度入稿&審査に進みます。

まとめ

本記事では、YouTube広告の仕組みや特徴、始め方について詳しく解説しました。YouTube広告を出稿する際の参考にしてみてください。

YouTube広告では、仕組みや特徴を理解し、戦略的に設計・改善を行うことが重要です。また、広告設定においても効果的な設定を行うことで、YouTube広告の効果を最大化できるようになります。

企業の広報宣伝担当者の方は、戦略から運用・改善までを行える、YouTube広告の運用に長けた外注先を選択するようにしましょう。動画マーケでは、下記のYouTube広告専門の運用会社をおすすめしています。